110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

ゲバラ日記(チェ・ゲバラ著)

 本書は角川文庫版で読む。

 先日、郵政・金融担当大臣、亀井静香氏が、ゲバラの名を上げていた。
 そういえば、昨年だったか、(ゲバラの)映画上映のCMが流れていたようにも思う。
 それほど、影響力のある人なのだろう。

 本書の訳者解説で、本書を最初に翻訳して刊行したときは、全共闘の時代だとしてあり、そして、新版は1999年ということで、最初に刊行されたものを読んだ人々の、その子供たちの世代に対して刊行されたものだと記してあった。
 そして、本書の奥付を見ると、版を重ねているところからして、本書を読む人が多いことが伺われる(私も読んでしまったのだが・・・)。

 そうすると、疑問が沸き起こるのだ。
 本書を21世紀になって読むということはどういう見方になるのだろうか?
 本書で語られる、キューバベトナム、そして共産主義、これらは、現在、当時と同じ視点では見ることはできないのではないか?
 そもそも、革命を起こすということ自体が難しくなっているのではないのか?
 その生き方が・・・と言う人がいれば、ゲバラのように生きるのかと聞いてみたい。

 それでは、何故に読むのか?
 まさか、ある種のファンタジーとして読むのではあるまい、それならば著者に対して失礼ではないのか?

 そんなことを考えてしまうのだ。

 (ちなみに、この文章は同意味反復に陥っている・・・気をつけねば)