110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

不協和音(Th.W.アドルノ著)

 本書は音楽之友社刊行のものを読む、確か、ちくま学術文庫版もあるはずだ。
 副題は「管理社会における音楽」とある。

 そもそも、芸術を管理されてしまうことはその存在や進歩に対してマイナスの要素ではないのかという疑問が沸き起こる。
 いや、そんなことよりも、現在での一つの評価としての売れる音楽は、芸術性の高い的な音楽といえるのだろうか?
 
 そういう基本的なことについて自分でも考えがまとまらないところにアドルノの難解な文章を読んだので幾分思考停止の状況にある。

 そんな具合なので、かつて感動したこの曲などがいかがであろう
 「ブラジル風バッハ(ヴィラ=ロボス作)の第五番」
 http://www.youtube.com/watch?v=YIrMJ_ix0FA&feature=related

 ソプラノのボーカルと8台のチェロという編成であり、ブラジル風バッハという斬新さと、その音楽の美しさに目を見張ったものだ。
 しかし、皮肉な言い方をすれば、これは既に過去の作品であり、音楽という(その)芸術がこの水準を超えるにはどうすればよいのだろうか?
 音楽的才能のない私には、音楽の発展とは雲をつかむような話なのだが、そういうことと本書は何か関係があるのではないかと思うのだ。