隠者の夕暮れ・シュタンツだより(ペスタロッチー著)

　本書は岩波文庫版で読む。

　キリスト教の信仰を柱に教育に全身を傾け取り組んだ著者の著作である。
　私は、教育者ではないので、ひとつの参考として読んでいた。
　だから、ここに書くようなことは何もなかったのだ(良い作品ではあることは事実だけどね)。

　ところが、本書には大変長い解説が添えられていた。
　そこには、本著者、本著作を礼賛する様な記述があったのだ。
　ふと、考えた。
　そこまで心酔するならば、たとえこの日本という社会制度が大きな制約になるとしても、神を信じ、批難されようとも、子供のためならば体罰を与えても真理を教え込む教育を(あなたが)すれば良かろう。
　（ながながと解説を書くよりも）実践的であることの方がもっと重要だ、と本編の方には書いてある様に思えたのだ。

　これは、単なる私の誤解(誤読)であればよいのだが、頭の良い人が、深く考えずにあてがって書いたような文章に思えたのだ。