110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

推定無罪とは?

 産経新聞では批判的な論調で書いています。
インターポール、関連基金の理事にゴーン容疑者 「推定無罪」で留任
11/27(火) 9:04配信 産経新聞
 【パリ=三井美奈】国際刑事警察機構(ICPO、本部フランス・リヨン)の支援機関、インターポール基金カルロス・ゴーン容疑者が理事を務めていることが分かった。
 同基金の事務局長は26日、本紙に「逮捕は報道で知った。『推定無罪』の原則で対応する」としており、ゴーン容疑者は当面、理事に留任する見込み。「理事は基金への拠出を求められていない」と述べ、同容疑者からの資金提供については否定した。ゴーン容疑者は2014年に理事に就任したという。
 同基金は、スイスのジュネーブに本部を置き、ICPOが取り組むテロ対策などの事業に寄付金を支給している。ICPOから独立した組織だが、ストックICPO事務総長も理事の1人。理事会は十数人で構成し、このほかのメンバーにはドイツの元内相や企業経営者らがいる。基金の収支は公表されていない。
 ICPOは10月、中国出身の孟宏偉前総裁が帰国中に逮捕されたことが発覚し、人事のあり方に批判が集まったばかり。

 日本弁護士連合会の「裁判員制度」のページにはこんな内容が記されています。

刑事裁判のルール
■ 無罪の推定
「無罪の推定」とは、犯罪を行ったと疑われて捜査の対象となった人(被疑者)や刑事裁判を受ける人(被告人)について、「刑事裁判で有罪が確定するまでは『罪を犯していない人』として扱わなければならない」とする原則です。
「無罪の推定」は、世界人権宣言や国際人権規約に定められている刑事裁判の原則であり、憲法によっても保障されています。

 「松本サリン事件報道の罪と罰河野義行/浅野健一講談社文庫」や、鈴木宗男氏や佐藤優氏の国策捜査関連の本を読むと、マスコミが「報道の自由」を盾に、裁判が確定される前に、本来の罪に関係ないこと、プライベートに関わることなどを報道して被疑者を窮地に追い込んできた事がわかります。
 河野義行さんは完全に無罪だったのですが、一応の謝罪が行われただけで、名誉棄損の罪での訴訟はしなかったそうです。
 それは、裁判費用が高額で時間が掛かる上、例え勝訴しても、国内の事例では、大きな賠償額にならないという消極的な判断からです。
 相手は、個人に対して、大きな資金を持つ企業ですから、圧倒的に不利なことは明らかです。
 また、これらの人々は「日本人である(日本の社会という固有のシステムの中で生きていかねばならない)」という縛りがあるのではないかもと思います(逃げることはなかなか難しいですよね)。

 さて、またまた連日TVを賑わす、本件については、流石に批判的なメディアや発言も見受けられますが、一見、世界的な標準をその判断基準にするわが国でのこの事件の報道について、一抹の危惧を感じているわけです。
 
 条約を一方的に破棄した国を批判するのはある意味当然なのかもしれません、しかし、本当に自らも正しいと言えるのかは「冷静」に判断するべきでしょうね。

 今後、少子高齢化や産業構造の変化で、外国人の移民や旅行者が増える傾向にあると思いますが、本来、法律意識の低い国民性について、自国民に対する(法律についての)啓蒙活動が必要なのかもしれません。
 まぁ、「違憲」であってもそのままになる国ですので手遅れかもしれませんが…