110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

現場と管理者

 正月早々教員になろうとする人が少ないなんて記事があった。
 随分前だが、教師の仕事はいわゆるブラックであるというTV番組があったが、このところの(あきらかな)少子高齢化現象がこれに拍車をかけているようだ。

 天国と地獄の典型例になってしまうことだろうが、若い人の就職は、それまでの地獄から一瞬にして天国になった。
 すなわち、すでに死語なのかもしれないが「3K」の職場を選択する意味が希薄になるということだ。

 そして、その典型的なひとつの例が「教職」ということになるのだろうか?
 また、そのほか、医療、介護、保育園や幼稚園といったところも、該当しそうだね。

 これらの例で共通してそうなことは、「現場の対応が非常に重要」だということ、もっと抽象的に言えば「人間に対する業務である」ことだろうね。
 一般的に、企業や行政などでも、階層構造、管理者の下には一般職がいて、管理職はその管理手腕により給料が高いというのが普通の考え方だが、これらの業種は、対人関係を司る一般職(管理職でも現場対応できる人は構わないのだが)のスキルが非常に大事で、場合によっては、一般職の方が、管理職よりも仕事が高度で、賃金面でも高くないとバランスがとれない場合があるということだ。
 
 そう、お役所の中で法律や制度を整えるよりも、実際に子供を教える方が、重要じゃないのってことだ。
 介護なんかもそうだと思うよ、介護保険という制度を国は用意した、だから、国民は、国が死ぬときは面倒見てくれると思っている。
 でも、予算が無いのかわからないけれども、その審査を厳しくしたり、しらを切って「家族が面倒見る」みたいなことを平気で提案している。
 じゃ、最初からやらなければよかったのにね?
 その制度を維持するための職員を厚労省でいくら増やしても、実際の現場の介護担当者はひとりも増えないんだよね。
 
 だから、移民を増やすらしい。

 皆、漠然と(公然かな)感じている(この)矛盾にどう対応していくつもりだろうか…ってね?
 回答は決まっているんだよね。
 弱い者を切り捨てるんだよ。
 見えにくいけれども、この国でもやっているんだよね。

 典型は(みんなも知っている)水俣病福島原発事故とかね、また最近話題になった沖縄基地問題もあるよね。
 そして、伏流となっている、女性の差別とかね。
 少子化は日本の女性の(積年の)恨みではないのか…などと考えると、どんなにお金をつぎ込んでも無駄であったことの一つの要因が見えるような気がする。