親の介護は9割逃げよ(黒田尚子著/小学館文庫)
本書は小学館文庫2018年初版のもの、ちなみに、元ネタは2015年プレジデント社より刊行された「50代からのお金のはなし」を改稿したもの、こちらはまともな表題なので、文庫化の当たってインパクトを狙ったものらしい。
10年位徒然に親の介護をしているので、この表題を見て「最近はここまで言うのか」と思いつつも内容が気になったので読んでみた。
うん、普通の親の介護に関する本だった。
関連があるかなと思えたのはP131の「もう無理だ、限界だと感じたら、親を放り出してもいいと思うんです」という、たくさんの介護の現場を取材をしてきたルポライターの山村基毅氏の言葉を引用しているところぐらいかな?
そうだね、この表題「親の介護は9割逃げよ」は微妙な内容だよね、読み方によっては、9割の人は親の介護を放棄しろと言っている様にも思えるしね、小学館の編集者らしくない「悪題」とも思えるね。
この本の著者は多分、介護に費やす作業の9割は自分が介入しなくてもやっていけるような仕組みを考えていこう、という意図なんじゃないのかな?
私は、同居して介護しているけれども、親も努力してくれているのだろう、ほぼ90歳に近いのに、未だに要介護1、トイレも自分で行ってくれるし、いわゆる最悪の状況ではない。
それでも、ディサービスやショートスティを利用して、私の時間は作るようにしている、そうしないと(人間が)持たないところもあるからね。
以前、父親が生前中は(お恥ずかしながら)大変な状況だったし、一人で抱えてしまったということもあるので、少しだけ利口にはなったのかもしれないね。
そうそう、本書には本当の修羅場は出てこないから安心してね。