本書は岩波書店2007年刊行のもの。
晩年という言葉のから受けるある意味否定的な印象をとらえて、必ずしもそうではないと、光を与えるための一冊。
基本的に、様々な人の晩年の作品を捉えているのだが、ふと、国家や社会にも晩年があるのではないかと思った。
強固に見えたローマ帝国にも晩年と言える時期があったし、あの大英帝国も、米国に覇権を譲り渡した(もぎ取られた?)感がある。
少子高齢化という便利な言葉で片づけられる、わが国も、もしかすると「晩年」なのかもしれない、いや、そうでないかもしれない。
でも、そういう「晩年」の観点から読むと、やはり、一抹の希望を持てるようにも思える本なのだ。