110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

人間の権利(トマス・ペイン著)

 本作は、少し前に読んだ「フランス革命についての省察エドマンド・バーグ著)と対をなしている。
 丁度、「・・・省察」を読み終えて、本作を読み始めた頃に「飲み」に行って、「最近フランス革命に興味があるんだよね・・・・」と言って、完璧に「座」をシラケさせた事があった。
 でも、本当に面白い事に「省察」も「権利」もどちらもイギリス人が書いている。
 海の向うに見える距離ではあるからかもしれない、そして、対岸の火事だからなせる業なのだろうか?
 (「Smork on the water」を思い出してしまった・・・脱線)
 そして、バーグとペインの意見の対立がとても際立っていて、それだけでも読み終えて良かったと思う。
 
 君主政を元に、保守的な姿勢のバーグ氏に対しては、民主主義のペイン氏の方が現代からすると分かりやすいが、いずれも一長一短の論火をしているので、そういう見地からも思いをめぐらす事が出来るのでは無いでしょうか?

 さて、
 憲法を制定するに当っては、まず第一に、政府を必要とする諸目的とはどのようなものであるかを考察する必要がある。次に、それらの目的を達成する最善で、かつ経費を最も要しない方法とはどのような方法であるかを考察する必要がある。
 これは、第2部(1792年刊行)からの抜粋。
 「現在の政治は複雑でこんなに理想的には行かないのよ」と聞こえてきそうだが、最近の本国の政治の現状を思うと、18世紀のこんなシンプルな文章に目が止まった。