110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

経済だと思うのだが

 大前研一氏のコラムに以下のようなことが書いてあった。
 昨今の政治談議を見ても「経済」に関して何か皆避けているのだ、それは、金融でも、財務でもなく、経済なのではないかと思うのだ。
 経済が伸長しない限り、税収は増えず、税収が増えなければ、国家赤字の低減に時間が掛かる。 
 現状、内需拡大では、日本の経済は持たないはずだ、それは、遡ること数十年前のレポートで実証されている。
 それでは、更に、外に向かって行く余地はあるのか?
 製造業を見限るなら、海外投資で大きなリターンを得るような投資銀行を要請するべきではないのか?

 マラソンでは、一度失速すると容赦ない現状が襲い掛かることになる、経済でも同様だ。
 もう一度、見るべきは経済ではないのか?

世界における日本の重要度は下がる一方である。中国のGDPは早ければ今年中に、遅くとも来年には日本を抜く。アメリカとG2の話し合いもすでに定期的に行う取り決めになっている。リスボン条約が発効すると来年から世界最大の国家となるEU欧州連合)などは日本の経済を視野に入れていない。欧州のある要人は私に「日本は15年ほど前に“経済の世界地図”から忽然と消えてしまった」と言った。誰にも頼まれないのに、自ら裃(かみしも)につまずいて転(こ)けている、という指摘は最初に示したGDPのグラフを見る限り正鵠を射ている。このグラフを見て改めて「自民党最後の15年は実に重たい失政の歴史であった」と知るのである。

 日本は自滅したのである。「自滅」という言葉を聞くと厳しい表現に思われる読者もあろうが、これがもっとも日本経済にふさわしい言葉だとわたしは思っている。EUから見れば、日本は間違いなくそのように映るのだろうし、実際それが日本の本当の姿である。