野上弥生子短編集
本書は岩波文庫版。
こういう類の本は図書館で借りて読むのが良いのかも知れないのだが、私は、ひたすら105円(100円)の棚に入るのを待つ。
現在は、その著者の品質と著作の価格がつりあわないというとても大変な(嬉しい)時代なのだ。
さて、本書を手にしたのは、短編集の最初の題名が「死」であったからだ。
そして、そういう生死というのはこの短編集の底辺になんとなく張り付いているのだ。
ただ、そんな(不穏な)影を感じずとも、最後の「狐」まで飽かずに読むことが出来る。
私は、本作の中で「狐」を読んでいて、一見幸せな文章の裏にへばりつく、生きながら死ぬということとはどういうことなのかを発見した。
そんなモチーフでありながら、文体は崩れず、流れていくのだ、それを、天邪鬼な私は、残酷な文章と呼んでしまった。
こういう発見があるから読書は面白い、また機会があればこの著者の作品を読んでみたい。
こういう類の本は図書館で借りて読むのが良いのかも知れないのだが、私は、ひたすら105円(100円)の棚に入るのを待つ。
現在は、その著者の品質と著作の価格がつりあわないというとても大変な(嬉しい)時代なのだ。
さて、本書を手にしたのは、短編集の最初の題名が「死」であったからだ。
そして、そういう生死というのはこの短編集の底辺になんとなく張り付いているのだ。
ただ、そんな(不穏な)影を感じずとも、最後の「狐」まで飽かずに読むことが出来る。
私は、本作の中で「狐」を読んでいて、一見幸せな文章の裏にへばりつく、生きながら死ぬということとはどういうことなのかを発見した。
そんなモチーフでありながら、文体は崩れず、流れていくのだ、それを、天邪鬼な私は、残酷な文章と呼んでしまった。
こういう発見があるから読書は面白い、また機会があればこの著者の作品を読んでみたい。