110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

雑感

 最近、漠然と考えている事がある、日本国民が棚上げにしてしまったことがらだ。

 例えば、第二次世界大戦後の戦争に対する反省「東京裁判」は外から来たものだが、国内ではついにその責任を裁判と言う形で追及することはなかった。そして、沖縄の基地問題、これも解決の方策自体無い。
 そして、今回の福島原発問題、なんだろう、世界で唯一の被爆国として平和の象徴というイメージがあったのが、レベル7の原子力事故を起したこと。原爆と原発は違うという方も多いのだろうが、原子力を本当に制御しきれるのだろうかという(抽象的な)疑問を想定したのだ、それも、今回の事件はチェルノブイリからも30年が経過している、科学は進歩しているのか、それとも、これは人間のミスなのか、もし、科学は進歩している、人間のミスだと結論付けても、それならば、人間はミスするものだから結論としては危険という事になりはしないか。
 そして、人間のミスを引き起こすような体制を作ってしまった原因は何か、それは、その時の問題を棚上げして結論付けしなかったことにあるのではないのか?

 これが、山本七平の「日本はなぜ敗れるか」の再読の理由だ。
 担当役職だけを乱造して、実質の伴わない現在の政府対応を見ていると、本書に書かれた日本軍と重なるのだ。