夕鶴・彦一ばなし(木下順二著)
本書は新潮文庫版で読む。
民話劇集。
民話をモチーフにしているのでほのぼのとした作品を想定しながら読んでいた。
大半はそのとおりだったのだが「夕鶴」を読んでいて背筋が寒くなった。
与ひょうは人間らしく金儲けをして、おつうを喜ばせようとした。
しかし(鶴の)つうはそういう感覚は理解できない。
あくまで善意であるという信念のもとで他所を傷つけることは人間社会では良くあることだと思うが、これを言葉で表現するのは難しいはずだ。
それがこの台本で見事に表現されている。
しかも、これを舞台で演じた場合に、この言葉の緊張感は演技に隠れて伝わらないのではないかと思うのだ。
文字から得た情報をもとに自分が勝手に想像して怖がるという怖さなのだろう。
民話劇集。
民話をモチーフにしているのでほのぼのとした作品を想定しながら読んでいた。
大半はそのとおりだったのだが「夕鶴」を読んでいて背筋が寒くなった。
与ひょうは人間らしく金儲けをして、おつうを喜ばせようとした。
しかし(鶴の)つうはそういう感覚は理解できない。
あくまで善意であるという信念のもとで他所を傷つけることは人間社会では良くあることだと思うが、これを言葉で表現するのは難しいはずだ。
それがこの台本で見事に表現されている。
しかも、これを舞台で演じた場合に、この言葉の緊張感は演技に隠れて伝わらないのではないかと思うのだ。
文字から得た情報をもとに自分が勝手に想像して怖がるという怖さなのだろう。