110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

いま生きる「資本論」(佐藤優著)

 本書は新潮社刊行のもの。

 久し振りに良い本だとお勧めできそうな本に出合った。
 なにしろ、新品で買っても1300円だし、私は古本で200円の投資ですんだ。

 本書を読んで、マルクス経済学を勉強しようと思った。
 私は、大学では経済学部で、さらに「マル経」だったのだが、親父に「マル経は(就職に)不利」との一言で避けていた。
 その後、ソ連が崩壊したりして、マルクスは終わりだと思ったりもしたのだ。

 しかし、どうもそうではないのかもしれない。
 ただし、その見極めには、きちんと時間を掛けて「資本論」などを読み込んでいく必要はありそうだ。
 もちろん、佐藤優=宇野弘蔵の理屈に批判的な立場の意見もあろう。
 しかし、それはそれ、まず佐藤の視点である程度の見通しを立ててから判断すればよいことではなかろうかと思うのだ。
 
 本当に恥ずかしいことだが、本書を読んで、おぼろげながら「資本論」が何を言おうとしている本なのかがわかった。

 最近の資本主義に得体の知れない危機感を抱いているのだが、ここで一つ勉強して見ようかなと思った。
 
 でも、あれだよ、本書に書いてあるけれども「資本論」は、革命の書ではないよ。
 消極的な対応で「ニヒリズム」に行ってしまうよりは良い選択だと思う。