110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

外務省に告ぐ(佐藤勝著)

 本書は新潮文庫版で読む。

 このところ、政治に関するコメントを度々上げてきたのだが、なんんことはない、十年ほど前に刊行された本書にすべて網羅されていた。

 官僚による文書改竄やセクハラそして違法行為、その腐敗している様を、そして、政治家も似たようなものだということも…。
 現在は、財務省がらみだが、本書では著者の在籍していた外務省について語られる。

 北朝鮮問題、米朝会議の顛末はほどなく分かることだろうが、米朝ならぬ、アジアにおける米中のせめぎあいの中で、日本は20世紀とは明らかに違う外交を構築していかなければならないのだが、やはり、今もって下手くそに思うのだ。
 国力があった20世紀とは異なり、衰退してきた日本では、外交を強化することが肝心だと思うのだが、残念なことに、それは10年や20年のスケールで強化できるものではない(相手刻国があるのでさらに厄介だ)。
 
 財政赤字は目に見える後世の負担だが、同じように、外交の弱さも、後世への負担だ、一般人には、見ようとしても見えないことだけに危険度は計り知れない。

 そんなわけで、10年前に総括されていたので、今後、今日の政治については積極的にはコメントしないつもりだ。
 なるようにしかならないからね。

 昭和という時代は前半はひどかったが後半はおだやかだった。
 平成という時代もほどなく終わるだろうが、なんとかなるだろう。

 本編をあとで振り返って赤面するようであれば幸せだな。