110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

職業としての学問(マックス・ウェーバー著)

 こういう本を読むのに良い時期は学生の頃なのだろうなと思いつつ、今さらのように読んでみる。
 この類の本は人気が無いのか、ほぼ「缶コーヒー」に匹敵する出費で手に入る。
 その事が「良い事」なのか「悪い事」なのかは判らない。
 ただ、私にとって、安価に手に入るのは「良い事」ではある。
 
 時代は繰り返し同じような顔を見せる。
 ただ、少しずつ違ったところがある。
 この本もまだ回答の出ない「問」を発しているようだ。
 読んでいくと、学問を教える事について、その「仕事」に専念する事、教える時は「中立」である事などが説かれている。
 難解だと言われる文章のようだが、以下の文章は現在でも意見が分かれる内容だろう。

「とにかく、自己を滅して専心すべき仕事を、逆になにか自分の名を売るための手段のように考え、自分がどんな人間であるかを「体験」で示してやろうと思っているような人、つまり、どうだ俺はただの「専門家」じゃないだろうとか、どうだ俺のいったようなことはまだだれもいわないだろうとか、そういうことばかり考えている人、こうした人々は、学問の世界では間違いなくなんら「個性」のある人ではない。・・・・むしろ反対に、自己を滅しておのれの課題に専心する人こそ、かえってその仕事の価値の増大ととともにその名を高める結果となるだろう。」

 何回か前に、岡野雅行氏の「あしたの発想学」という本を取り上げたが、何か共通するものを感じた。
 私は、言葉は悪いかもしれないが「職人」が好きだ。