110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

ソシュール(J.カラー著)

 「構造主義」というのに興味を持ったので少し追いかける気持ちになった。
 当初、記号論に関する本を読んでいたが、自分には難しかったので、更に、戻って入門書的なこの本を読んでみる事にした。
 読んでみると、ラング(言葉の体系)とパロール(実際の発話)との区別や共時的眺望(時間観念の無い今の言語)と通時的眺望(時間感覚、歴史感覚で捕らえる言語)などの区別が、今さらながら、新鮮に思われた。
 (今まで、随分「無知」で暮らしてきたものだと痛感)
 また、言語体系はパロールから変わるという記述があり、
 「そうか、昔と今は、言葉使いが変わってきたな」と思っていたが、実は、この変化が逆に(いろいろの要件のもとに)標準(な言語)に進化していくということなのだなぁ・・・と肯定的に理解できた。
 しかし待てよ、と言いつつも、ラングに関しての個別性をソシュールは否定していると解説に書いてあったという事は、こういう個別的な「ことば」の変化については、論旨が矛盾するのではないか?
 うーん、疑問はまだ尽きないなぁ。
 また、記号としての「文字」について、特にヨーロッパ圏での研究になるのだが、象形文字の日本や中国での捕らえ方はどうなるのだろう?
 「一般言語学講義」も機会があれば読みたいと思うし、日本の研究者の本も同様に探ってみよう。