110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

日本人はなぜ日本型経営を評価しないのか

日本人はなぜ日本型経営を評価しないのか(小林よしのり
12/19(土) 10:15配信 サンデー毎日×週刊エコノミストOnline
リモートワーク・テレワークがコロナ後の働き方だそうだ。
時事通信が5月に実施した「労働に関する世論調査」では、感染の終息後もテレワークを「拡大すべきだ」との回答が7割だという。
マスコミはこの変化を歓迎している。
ある経済ジャーナリストによれば、「完全なリモートワークが可能なのに、いまだにできていない企業は将来を見通せない企業となる可能性がある」だそうだ。
赤字に転じた企業が、交通費も残業代も要らないからリモートでいいと考え、社員が出勤しないなら事務所も要らないということになり、とことん経費削減に励んでいる。
管理者がパソコンの画面に映った社員全員を監視し、社員の交際がないから、人柄や協調性は評価の対象ではなくなり、ひたすら成果主義が重んじられる。
個人主義が徹底して、チームワークという集団性は要らなくなった。
画面越しの知り合いなので、愛社精神は要らない。
社員に忠誠心はないし、経営者に社員に対する責任や情も育たない。
リストラするのに全く躊躇(ちゅうちょ)も要らなくなるから、経営者にとっては得なのかもしれない。
だがほとんどの日本人には欧米人のような個人主義はない。
欧米人は狩猟民族だが、日本人は農耕民族なので、日本人が最も力を発揮するのは集団性を生かすときである。
経営者がコロナ禍という非常事態につけ込み、ショックドクトリン(大惨事便乗型資本主義)でリモートワークを導入し、ついに労働者は砂粒の個に分断されてしまった。
格差拡大がさらに加速するのがコロナ後の日本だろうか。
日本人ならば、集団性を生かす日本型経営を再認識することが、日本人を幸福にする経世済民のあり方のはずである。
小林よしのり・漫画家)
(本誌初出 20201208)

小林氏の言っている「日本型経営」とは、コメントにもあるような、高度経済成長から昭和期までのやり方だろう。

現在では生産性が低いと指摘されており散々な評価だが、歴史的にも、日本が米国を追い詰めたやり方ではある、そして、そのやり方を今アジア諸国がトレースしている様にも思える、コメントの中に、日本は中国に負けているというのがあり、私もそう思うのだが、実は、中国のやり方がその好調だった時の日本のやり方に似ているような気がする。

私見では、経営者側もそうだが、雇用者側も、その「日本型経営」を捨てたという事だろう。

いわく、当初にも書いた、生産性が低いこと、その要因としての、労働時間が長いこと、村的な意識が現代風でなかったこと、などあげられるのだが、逆に考えれば、何も取り立てて資源がなかった国としては、そういう風にのし上がるしかなかったんだと思う、それがいつしか忘れられて現在の考え方の基調になり、もう、批判するしかない状況となったんだろうと思う。

ちょうど、良い機会だから思い起こすと、当時は今ほど、飲食も観光業も盛んではなかった、だから、コロナ禍が来ても、GoTo系のキャンペーンも規模は小さくて済んだはずだ、そうそう、イベントも小さかっただろうしね。

そして、批判の的になる、村的な会社関係は雇用を守る方向に動いただろうから、給料の減額はあれどもなんとかしようと考えた会社も多かっただろうしね。

逆に政府は弱かったから、民間の互助が大事だったろうね。

コメントで各氏が批判した内容はそれはそれで現在の教科書に書いてあるように正しいと思うけれども、ちょっと前に合った、幸せな時期を、私たちは自分達の手で失ったんだよね、たぶん、個人主義と言う民主主義に特有の考え方で。