110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

暴力のオントロギー(今村仁司著)

 今村仁司氏の著作では有名なもの、1982年勁草書房刊。
 今頃読むのは遅いのかもしれないが、いつかは読みたいと思っていた。
 レヴィ=ストロースから問題提起が始まり、マルクスヘーゲルバタイユジラールなどと、その問題が展開されていく、そして、その主題としての「第三項排除」のメカニズムを説こうとする。

 何故、戦争などの暴力行為はなくならないのでしょうか?
 それには、根本的な問題があり。
 それを防ぐにはどうすれば良いのかというと、それを防ぐ方法をとれば良いのだ。
 当たり前かな?

 しかし、その原因が、現行の社会制度にビルドインされているとどうなるのか?
 
 もとより、人間は至る所で小競り合いをして、その暴力性を解消している。
 たとえば、バカ喰いするなどもそのような精神状況の転化した形であろう。
 それが、小さければ良いが、だんだん圧力が高まると問題が起こる。
 そこに入るのは、ある種の犠牲であるとする。
 いわゆる、人道主義ヒューマニズムが蔓延すると、この犠牲者は存在できないことになり、なんらかの破綻が訪れる。

 それは、エントロピーの法則に逆らう様に存在する(地球上の)生物一般の根底的な行動様式なのかもしれない。
 それは、絶えず、崩壊する自体を回復するために、変化しつづける(諸行無常)という生物の、基本的な行動様式なのだろうか。
 もし、それが克服できないとするならば、それと、共生することも考えないといけないのかもしれない。

 そんな、ことを考えさせられました。
 さて、現在の状況はどうであろうか?