記憶(港千尋著)
本書は講談社選書メチエ1996年刊行。
記憶という題名から、茂木健一郎氏のような、医学的なものかと思っていたが、読み進むと少し観点が変わってくる。
人間の記憶は、コンピュータの様なものでは無く、「記憶」として創られる(想起する)ものと位置づけている。
そして、そのためには「言葉」が必要であるという。
さて、本書の中扱う「記憶」というのは、個々の人間のもつ記憶だけではなく、社会や文化として持つ記憶の忘却についても書かれている。
本書でもアウシュビッツや、ベルリンの壁の崩壊後の旧東ドイツの社会的記憶の喪失についても記述されている。
確かに、様々な思惑により、例えば焚書によって、古典の知恵が失われた例は数多く上げられるだろう。
エントロピーの法則というのがある、もしかすると記憶というものも、それを維持するための措置がとられないならば、忘却される運命にあるのかもしれない。
しかし、その反面、人間は、忘却できるために、生存していられるのかもしれない。
記憶という題名から、茂木健一郎氏のような、医学的なものかと思っていたが、読み進むと少し観点が変わってくる。
人間の記憶は、コンピュータの様なものでは無く、「記憶」として創られる(想起する)ものと位置づけている。
そして、そのためには「言葉」が必要であるという。
さて、本書の中扱う「記憶」というのは、個々の人間のもつ記憶だけではなく、社会や文化として持つ記憶の忘却についても書かれている。
本書でもアウシュビッツや、ベルリンの壁の崩壊後の旧東ドイツの社会的記憶の喪失についても記述されている。
確かに、様々な思惑により、例えば焚書によって、古典の知恵が失われた例は数多く上げられるだろう。
エントロピーの法則というのがある、もしかすると記憶というものも、それを維持するための措置がとられないならば、忘却される運命にあるのかもしれない。
しかし、その反面、人間は、忘却できるために、生存していられるのかもしれない。