110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

アーロン収容所(会田雄二著)

 本書は1973年初版の中公文庫版を読む。

 前回の「私の中の日本軍(山本七平著)から、第二次世界大戦ものの読書が続いた形になった。
 本書は名著と呼ばれているものなので、特に解説(今までもしてないが)は必要ないと思う。

 こういう本を読むと、なんとなく日本が何故再興したのかが少し伺えるように思う。
 そして、その当時にあったものが、今無くなったことにも気づくのだ。

 他の方の思想系のブログを見たりすると、こういう、既に古い(といっても60年ほど前)にあった文化に対して、肯定否定がない交ぜになっていることが伺える。
 そして、どちらかというと、個人主義的な要素、かつてのムラ的な要素が理性的に切り捨てられていく方向に批判が集中しているように思う。

 ところが、前作、本作と見ていくと、過渡期(偶発)的とはいえ、このムラ的な要素が復興には重要な役割を持っていたのではないかと思えてしまう。
 そして、アジア各地に侵略(進出)したことは、その民族性、風土などを身をもって体験した、いわゆる重要なマーケティング活動になったのではないかと思う。
 そして、1980年台に掛けて、今度は経済的な戦争(それは静かなものだろうが)として勝利し続けたこわけだ。
 そして、その後、現在に至る過程は・・・・?

 既に、時代は変わっている、その中で新しい道を見つけ出すことが必要だろう。