110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

マキャヴェッリと『君主論』(佐々木毅著)

 本書は講談社学術文庫版1994年版を読む。

 マキャヴェッリ君主論は、以前岩波文庫版で流し読みをしたことがある、また、塩野七生氏は、マキャヴェッリについて好意的に評価していた事を思い出す。

 本書は、前半が「マキャヴェッリの生涯と思想形成」という章立てで、解説を中心にしたもの、後編は「君主論」の翻訳という形に編集されている。
 ちょうど、詳細な解説付きで、君主論を読む形になるのだ。
 また、私にとっては、「君主論」のおさらいと言う形になった。

 さて、現代の視点で君主論はどう読むことができるのだろう。
 君主は、例えば、首相や大統領へ、そして、今もって消えない武力闘争(戦争)は、例えば、本国であれば、経済(戦争)と読み替えても良さそうな気がする。
 そして、マキャヴェッリは自国に強い軍隊を持つことに固執した(果たせなかったが)。
 当時は、軍事力=統治力であるが、今は、何になるのであろうか?

 麻生総理が、新しく登場した「王」だとすれば・・・・現在のところその対応はどうなのか?
 そして、先代の「王」はどうだったのか?
 たとえば、小泉元総理は、君主論を熟読していたのではないか・・・・とも思う。

 そのような事を考えながら読むと面白い。