110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

若きウェルテルの悩み(ゲーテ著)

 本書は新潮文庫版で読む。

 現在から見ると・・・いや、私の視点から見ると、本書に描かれている、それぞれの人間が<強い>様に思う。
 それは、自惚れのように見えるし、現在より、実存的な時代だったという事なのかもしれない。
 しかし、詳説全体の印象は、スマートではなく、当然のことながら、フィクション(こういう精神性の人はあるのだろうか?)という印象が強い。

 そう、詳説=フィクションであると認識しつつも、やはり、それぞれの<人間(感)>が強いことに、感激してしまう。
 
 まぁ、現在は、その分人口が増えて、一人当たりの重み(存在)が減ったんだ・・・という考え方もある。
 また、形而上学(的なもの)が、実質、相対化され、本質とか、真理とかいうものが、消えた(抑圧)からかもしれない。
 それらは、仮想的な重力でしかないのだから。

 その仮想といわれるものも、思い続けると、あたかも実体があるように見えてくるのだろう・・・・か?
 しかし、私にとって、その実体が見えるようになるためには、人生(時間)が短すぎる。
 つまり「どんくさい」のだ。
 いや、精神分裂的なのだ。