110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

断章116~118

断章116 「職業。思想。すべては一つであり、すべては多様である。人間の本性といっても、そのなかにはいかに多くの本性があることだろう。いかに多くの天職があることだろう。そして人は、普通、どんな偶然から、ある職業がほめられるのを聞いてそれを選ぶことだろう。みごとにできた靴のかかと。(全文)」
 「職業」と「思想」が併記されていることが気がかりだ。
 「本性」は多様性を帯びている、すなわち、一つの真理ではないことが気がかりだ。
 もっと若いときに本断章をきちんと理解できればもう少しましな職業選択をしていたことだろう。
 しかし、職業の選択が「正社員」という時代はいかなるものか、夢がないということなのか?

断章117 「靴のかかと。『おや、なんてみごとな出来栄えだろう』『なんて腕ききの職人だろう』『なんて大胆な兵士だろう』ここにわれわれの好みと、職業選択のみなもとがあるのだ。『あの人はなんて飲みっぷりがいいんだろう』『あの人は、なんとよく酒を飲んでいることだろう』これが、人々を、節酒家や酔っ払いや、兵士や臆病者、等々にさせるのである。(全文)」
 人は、自分で気づかないうちに他の人々の幸不幸に影響を与えているかもしれない。

断章118 「他のすべての才能を規整する、おもな才能。(全文)」
 うまいねぇ、ざぶとん一枚という感じ。