打ちのめされるようなすごい本(米原万理著)
本書は文藝春秋2006年第1刷刊行のもの。
また、文庫版も出ている。
蛇足なのかもしれないが、この年に著者は亡くなっている。
本書は著者が書いた書評を集めたもの。
そこで、表題の「打ちのめされるようなすごい本」とは、丸谷才一の「笹まくら」のことを指しているのだが、私には、この本自体が「打ちのめされるようなすごい本」だと思うのだ。
一つは、この本の中で興味のある本は早速Amazonのお気に入りに登録したことから、二十年位前の本だが、今も読んでみたいと思わせるものが散見される事、これは書評であるから当選と言えば当然なのかもしれないのだが…
本書の文章のなかに埋め込まれた、政治批判が、現在でも通用するのではないかと思われるくらい節があるのだ。
まぁ、本書では当時の小泉総理が名指しなのだが、現在の安倍総理にも通用しそうなところが結構あるように思う、そこが、私としてはお気に入りのところなんだな。
まぁ、当時も今も体制(大勢)に変化はないと思うのだ、変わったのは、世代交代が進み、当時の批判が、今の批判にならない、世の中になったのではないかということ。
そう、受け入れ側(日本人の大衆世論)が変わったのではないのかな。
現状の政策を続けて、それが最終的に(国民の)幸せに結び付けば良いのだが、そういうイメージが、私にはなんとも浮かんでこないのだ。
まぁ、私がボケたということかもしれないね。