110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

ツァラトゥストラ(ニーチェ著)

 最近、名作巡り状況になっている。
 シェーペンハウアーからニーチェへと時代を遡った。
 この両者は、特にニーチェの側は、ショーペンハウアーを否定しているようだが、同様な根を持って考えている所も見受けられる。
 それまでの、西洋の思想を批判し、今後どのように展開していくのかについて、凡庸な言い方だが「哲学」した事が伺える。
 どちらも、自然を形成する大きな力を認めているようだが、ショーペンハウアーは「意志」がその根源とするのに対して、ニーチェは。このあたかも偶然に起こるように見える時間を、意志によって受け入れることが出来る。いや、意志によってコントロールできるということを言っているようだ。
 その為には、現在の人間を越える力を持つ「超人」の出現を期待している。
 それは、生を肯定している上で、世代を重ねるうちに出現してくるだろう。
 そんな「予言」の様に思われた。

 生の肯定と特に西洋における「神は死んだ」宣言は、近代から現代にかけての或る意味キーワードとなろう。哲学的な意味を除いても、21世紀の(特に日本人)人にはその傾向があろう。
 しかし、まてよ、国家(ある意味での法人)はどうなのか?
 アメリカとイランの戦いは、一神教のそれも親戚どうしの宗教闘争の様にも見えるが、それに、経済的な要因なども絡んでいるので複雑な動きをしているようだ。

 超人と普通の人間の間に差別も(一般的な意味での)悪さえ認める、ニーチェの思想は、現代にも、無意識を装って見え隠れしているようだ。
 大衆(私もその一部だが)の堕落ということか?

 さて、ニーチェの後継者は誰だ?