110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

人生のドラマトゥルギー(栗原彬著)

 岩波書店の「シリーズ-生きる」のうちの一冊、本書は、近くの図書館のリサイクル資料(廃棄)だったもの1994年刊行。
 本書を読んでいて、神谷美恵子さんの「こころの旅」という著作を思い出していた。
 この本は、子ども-若者-おとな-老年と人生の移り変わりを、当時の状況を勘案して、批判的に概観した著作。
 当時の社会傾向を採り入れたために、抽象化・一般化できなかったために、内容が風化してしまったために、リサイクル資料になってしまったのだろうか?

 しかし、時代的に古いとは言いながらも、私にとって、確かにそういう事件があったことを思い出させてくれたことは、ある意味役に立ったと思う。
 そして、本書の中の「子ども」の章で、登校拒否を題材にしているのを読んでいて、かつて、自分が登校拒否をしていたことを思い出した、私の場合は「いじめる方」が幸いにも転校したので助かったが、そういえば、その時の教師が誰で、何をしてくれたのかは、今は全く思い出せない、多分、何もしなかったのだろうと思う。
 その後、その影響がどう自分の人生に影響を与えているかは、全てわかるわけではないが、そのうちの一つは、人との距離を(意識的そして無意識的)に置くようになったことだと思う。

 まぁ、そんなことはさておいて、本書では、改めて「中庸」であるということについて考えてみたくなった。(「中庸」手元にはあるが未読なんです)
 ちなみに、環境問題は「中庸」と関係あるのでは無いか?