110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

増補 経済学という教養(稲葉振一郎著)

 本書は東洋経済新報社から2004年に刊行された「経済学という教養」に加筆、論文を追加したものをちくま文庫版として2008年に刊行したもの。

 最近、経済学系の本をよく読むようになった。
 本書の最初の方に書いてある「素人の、素人による、素人のための経済学入門」という部分が気にいったので購入して読んだ。

 著者は1963年生まれだから、同年代なんだなぁ・・・・
 でも、岩井克人氏、塩沢由典と二者の本を読んだ後での感想は・・・・(!)。
 「経済学というものを知ってほしい」ということだが、ほぼ、政治(政党)の経済政策批判、そして、漠然とした左翼批判が続く。
 経済学のモデルがまだ完成されていないことは事実だと思うので、どうしても市場を調整しながら運営していかなければならないのが現状だと思う。
 しかし、本書では近代経済学。ミクロ、マクロ経済学であたかも解決できるような(強気な)論調で始まりながら、最後は腰砕けになる(やはり「賢い政府」が・・・などと最後の方に出てくる)。
 現代の人はこれで理解できるのだと・・・ただただ感服

 本書を、ちくま文庫に収録した筑摩書房は目利きということだろうか?
 本書が理解できない、私が、時代遅れな人間になったんだろうか・・・・・・?
 そんなことを考えてしまった。