110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

権利のための闘争(イェーリング著)

 本書は岩波文庫版で読む。

 権利および法を国家から与えられているのだから、その権利を行使することが、法を遵守することにつながる、すなわち、使えば使うほど洗練されるという趣旨の内容のようだ。

 さて、本書の内容については既に読まれている方も多いので余り触れないが、ここ数年気づいたことがある。
 法律の関わるクイズを出すTV番組は、周期的に流行るようだが、昔のクイズは明らかな回答があったように思う、しかし、最近クイズは、回答者である弁護士の回答(評価)が割れる様な場合が増えてきているように思えるのだ。
 それは、社会が複雑化してきたからかもしれない。
 そして、(古い)日本人は、余り法律に頼らずに個々に問題を解決してきたが、ここにきて、そのような(一見)曖昧な信義則が崩れてきたからかもしれない。
 まぁ、問題の本質的な是非は、当方には判断できないことなのだが、多分、今後、日本でも法律に関わる闘争は増えることであろう。

 そういえば、以前、車で物損事故を起こしたことがある。
 その時に、保険を利用したのだが、相手の車の年式が古く、修理費用が相手の車の「評価額」以上になってしまったことがある。
 こういう場合は、その差額分の保険金は下りないのだ。
 この時に、私はその差額を自腹で支払ったのだが、こういう場合、皆さんだったらどう対応しただろうか?

 そのモノの評価金額を保証するというのだろうか、それとも、相手の感情や現状復帰を優先するのだろうか?

 そんな、過去の汚点をについて考えてしまった。