110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

饗宴(プラトン著)

 本書は岩波文庫版で読む(ちなみに100円であった・・・喜ぶべきか悲しむべきか)。

 本書はプラトンの最高傑作と言われている。
 そう、ここで議論されるのは「エロス(愛)」だ。
 ソクラテス=プラトンの考える「愛」について知りたい方は本書を読むということにして・・・

 なかなか鋭い指摘も或る、本来「愛」のような言葉は、その実体がつかみにくい、その割りに、もののわかった人も「愛がすべて」などというのでたまらない、言葉が独り歩きする。
 最後の切り札で「やっぱり愛だよね」と言ってまとめてしまうのは、麗しいけれども、その実何の内容も無い場合も多々ある。
 斯様に「愛」「平和」「善」などの言葉(胡散臭い言葉たちだ)は難しい・・・そんなことを本書の中では指摘している様にも思う。
 しかも、ご丁寧に2000年以上も前にだ。

 そんな事を考えながら読める(今回は歩き読みしていたが)プラトンの対話篇が、最近面白くなってきた・・・これは、3年前の読書からは考えられないことだ。
 西洋的思想の原点(原罪)はプラトンにあると言う指摘もある、「私日本人だから関係ない」と知らん振りもできないほど、日本も西洋思想に「どっぷり」つかっているのだ。
 と言う風に考えると、プラトン読みたくなってきません・・・?