110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

ザ・ベロシティ(ディー・ジェィコブ/スーザン・バーグランド/ジェフ・コックス著)

 本書はダイヤモンド社2010年刊行のもの(最新刊は久しぶり)。

 仕事の関係もあって、TOC(制約理論)については、ゴールドラット博士の「ザ・ゴール」から殆どのシリーズを読んだと思う。しかし、今度は著者も変わり(ただし主力はAGIゴールドラット・インスティチュートのメンバーだが)、リーン生産システム(トヨタ生産方式)やシックスシグマとTOCという組み合わせだということで、「この3題話をどうまとめるのだろう」という興味から読んでみようと思ったのだった。
 本書を読むとわかるのだが、帯にある「21世紀版『ザ・ゴール』」というところに、読後感は落ち着くのだ、この手のビジネス書としては異色で「ザ・ゴール」同様に小説の形態だし、内容も状況は変われど似たようなものだということに気づくのだ。
 そして、さらに気づくのは、すでにひとつの流行のピークを超えた、これらの(生産管理)手法は時代の流れの中で風化して役に立たなくなったのではないかというと、明らかに「NO」であるということだ。
 問題は、やはり適材適所と言う如く、ある企業体にあった手法を適用するということであり、下手なたとえで言うと、インフルエンザなのに、風邪薬を飲んでも直接効果はないのだ。

 そういう面で、本書は、複数の手法の組み合わせ事例という複雑性の例としては面白いが、あくまで21世紀版の「ザ・ゴール」なのだと思うのだ。

 ちなみに、つまらぬ勘繰りだが、本書で登場し問題解決をする人々は女性が多いのだ、これは、そういう傾向なのだろうか?・・・ある本では、女性のほうが平均2ポイント知能指数が高いと書いてあったが、そういう傾向なのだろうか、この設定は、まさに21世型だと思うのだが。