110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

鳥たちをめぐる冒険(W.H.ハドソン著)

 本書は講談社学術文庫版で読む。

 原書は1913年に刊行された、英国を中心に著者が実際に体験した野生の鳥たちの生態にもとづいた所感を書き記したものだ。
 本書全体にわたって気づくのは、著者の鳥たちへの愛情であり、ある人間たちが鳥たちを絶滅させていることへの憤りである、それは、すでに1913年にもあったことなのだ。
 そして現在、ほぼ100年が経過した、多くの人々が自然環境の破壊について警告を述べたが、未だにその勢いは止まらない。
 身近な例では、私の家の周りでスズメが減った、少し前の新聞記事では、日比谷公園のスズメが減ったということが伝えられたことがある。

 現在は何回目かの生物の大量絶滅時期である、これは、明らかにこれは人間の文明によって行われている、すなわち人為的な原因で為されている。
 もし、生態系の鍵になる生物を絶滅させれば、もはや人間を含めた全生物が存在できなくなると言われる、大まかなことだが、昆虫類が全滅したら生態系は維持できないとされている。
 すなわち、好むと好まざるとに関わらず、生物は、地球表面の有機物で覆われた薄い層の中で暮らしているのだ。

 だから、他の生物も大事にしなくてはいけないのだ。
 しかし、私はその事に恐れつつも、何もできずに暮らしている。
 情け無いことだね。