馬場辰猪(萩原延壽著)
本書は1967年中央公論社刊行のもの、私は1995年刊行の中公文庫版で読む。
元は50年も前の本だが、これが明治の自由民権運動家の単なる記録に留めておくことはできそうもない。
本書を読むとわが国は本当に民主主義であるのか、と一度は自問したくなるだろう。
本書の解説からの更に又引きになるが、安部公房氏が本書によせた言葉がある。
それは「馬場辰猪は、いまなお生きて、あなたのすぐ身辺をさまよい歩いて入る。・・・知識人の孤独と没落が、なにも昨日今日に限った出来事ではなく、日本の夜明けである明治このかた、脈々として続いて来たメロディであることを知ったとき、あなたは一種の恐れをもって、今日の持つ意味を思い返してみることだろう」
本書を読むと、そういうことにいやおう無く気づかされてしまうのだ。
元は50年も前の本だが、これが明治の自由民権運動家の単なる記録に留めておくことはできそうもない。
本書を読むとわが国は本当に民主主義であるのか、と一度は自問したくなるだろう。
本書の解説からの更に又引きになるが、安部公房氏が本書によせた言葉がある。
それは「馬場辰猪は、いまなお生きて、あなたのすぐ身辺をさまよい歩いて入る。・・・知識人の孤独と没落が、なにも昨日今日に限った出来事ではなく、日本の夜明けである明治このかた、脈々として続いて来たメロディであることを知ったとき、あなたは一種の恐れをもって、今日の持つ意味を思い返してみることだろう」
本書を読むと、そういうことにいやおう無く気づかされてしまうのだ。