110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

PVと飲食店やイベント会場の取扱の矛盾について

パブリックビューイングの開場準備と飲食店やイベント会場の取扱に矛盾があるとして、世論が批判しているようだが、根本的な味方が間違っている。

オリンピックに伴う開場運営は、直接的に感染防止の責任を、国、自治体など公共機関が負うことになる。

これに対して、飲食店、イベント会場は、それぞれ、民間での飲食店、会場運営者の責任となる。

あたかも、マスコミでは、それらの民間機関がきちんと感染対策をしているような報道をして、公的機関には良くて、民間はだめなのか、という矛盾点を喧伝しているのだが、ご存知のとおり、すでに、飲食店でも営業自粛要請に従わなかったり、クラスターを発生させたり、また、事業者の規模によっては、責任を取れないことが明白だ。

すなわち、民間にあるこれらの業者は、このコロナ禍の最中を通して、公式行事で、国や自治体と同様の責任体制を取れないことを、身を持って実証してきたわけではないか?

一部の適正な対応をしている飲食店、イベント会場もあるが、もし、矛盾だと言うのならば、理論上、全部の飲食店、イベント会場が国と同レベルで責任を負えることを、民間の側で証明するべきだと思う、民間が自主規制したり、保険会社にリスク保険を要請する手もあるではないか?

そういう責任問題を棚上げにして議論だけが先行するというこの世論はおかしいと思う。

民間は、民主主義という言葉によって、自由を唱えるのはかまわないが、本件に関しては、国や自治体の公共の指図に従えるのか、コントロール下で機能できるのかを、まず、回答しなければ議論自体が成立しない。

国の関係者の言動も、きちんと聞けば、国のコントロール下にある施設やイベントは、責任も含めて制御できるのだが、そこから外れた、民間の動きが予測不能で危険だという意見を話していることが多いことに、あらためて気づくはずだ。

日本語は論理的な思考には向かない言語だといわれてはいるのだが、しかし、その中でも、きちんと話された言動を、自分勝手に切り刻んで、都合のいいように解釈してしまうことは、やめたほうがいいと思う。