110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

算私語録(安野光雅著)

 本書は、朝日新聞社朝日文庫版で読む。
 著者は画家が生業なのだが、とても理系の芸術家で、本書でも数学エッセイの形をとっている。
 数学に詳しい方には物足りないかもしれないが、私、文系のものには思わず理解を超える瞬間がある、

 「・・・ニース、カンヌからモナコを経てイタリアに入るときは、いつも右手に海が見える計算になる。このことを念頭に入れて前進すれば、必ずイタリアへにつく。・・・ところが、左の窓に海が見えはじめたのだ。私は非常に驚いた。それはどういう場合であろうか。これは中学生くらいの問題。」
 中学生くらいの問題と記してあるので考えたのだが、答えがわからない、どこかで海を跨いでいるはずのように思うのだ(例えば、狭い海峡を越えてしまったとか)、河川ならば、伏流水の上を通過するとか
ありそうだが、海ではちと考えがたい。

 だれか、答えを教えてほしい。

 そうそう、そういう、面白いエッセイが詰まっているので、もうすでに古書の部類だと思うが、この著者のこの手の本があるとこっそりと読んで楽しんでいる。
 ちなみに、本書の題名は「三四五六(さんしごろく)」である。