110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

2011-01-01から1年間の記事一覧

歌舞伎役者(川口松太郎著)

本書は講談社刊行のもの。 高峰秀子の著作に、川口松太郎賛のものがある。 その私生活について知れば、破天荒であまりほめられたものではないという人もいるかもしれないが、そういうものも含めて作品を作り出すという、その行為は、只者ではない。 自転車の…

自転車は車両

以前読んだ本に、バスの優先席について、日本人とアメリカ人とどちらが正しく利用するか実験した結果が出ていた、この時は、アメリカ人の方が正しい利用をしたとある。 私見では、比較的軽微な「法律」について日本人は総じて無頓着な傾向にあるのではないか…

傀儡師(芥川龍之介著)

本書は、近代文学館の特選名著復刻全集の中の一冊で読む。 この著者の作品は様々に取り上げられているので、読むことに事欠くということは無かろうが、この全集だと雰囲気を感じながら読めるので少し良い。 さて、本作品は短編集になるのだが、この表題の「…

春と修羅(宮沢賢治著)

本書は近代文学館編の精選名著復刻全集のうちの一冊で読む。 このシリーズは原作の出版当時の状況を忠実に再現するというこだわりの全集で、まぁ、読書の秋(そのうち死語になる)の、読書趣向としては面白いかなという感覚で読んでみた。 本書は、既に古典…

算法少女(遠藤寛子著)

本書は、1973年岩崎書店刊行のもの、私はちくま学術文庫版(2006年初版)で読む。 本書の文庫本化については、文庫版あとがきをお読みいただいてそのなれそめを知っていただこう。 そして、何故、本書のカバーの背表紙が青灰色なのか?・・・これは、私は推測し…

歩行者には良い傾向

もとより、歩道上では歩行者は優先権を持っているはずなのに、歩行者がわざわざ自転車を避けていたりする。 また、歩行者の目の前から、自転車が接近する時に、歩行者の後ろから追い抜こうとする自転車が気になって、あらぬことか、歩行者の目の前に停止して…

ブヴァールとペキュシュ(フロベール著)

本書は岩波文庫版で読む。 本作品を知ったのは「物語批判序説(蓮實 重彦著)」で「紋切型辞典」について論旨を展開していたからだ。 その蓮實氏の著作の内容については、お恥ずかしい話だが、忘れてしまったのだが、フロベールの作品名だけは脳みそのどこか…

時代の変遷

コンピュータが今よりも高価ではあったが、より身近に感じられた時代があったように思うのだ。 C言語およびUNIXの父、デニス・リッチー死去 ― 享年70歳 TechCrunch Japan 10月14日(金)2時37分配信 UNIXの父であり周囲の尊敬を集めたコンピュータサイエンティ…

断章72

断章72はかなり長いの文章だが「人間の不釣合」という冒頭の書き出しが全てを物語るのであろう。 そして、本断章の要約は次の「自然的な認識がわれわれを導いていくところはここまでである。もしそれが真でないならば、人間のうちに真理は存在しない。また、…

総合化MRPシステム(中根甚一郎編著)

本書は、昭和59年日刊工業新聞社刊行のもの。 本書は仕事に関係ありで、生産管理システムの導入などをやっているからその手合いというわけ。 だから、仕事が少ないんだって・・・・まぁ、私は昭和の人間ですから。 今更、昭和59年の著作などという先入観もあるの…

やはり、もったいない

この前の風呂の改修を期に、すこし、家の中を整理してみようかと画策している。 まずは、我が家の古着だ。 当然、どこかにくれてやれば良いと思い調べると、そういう寄付行為は有料で、さらに余り喜ばれないという結論になった、ちなみに(わが国での)ベス…

昭和の風呂考

我が家の風呂を改修した、母親の足が弱ったので段差を無くするという目的だ。 その前の風呂というのが、かれこれ四半世紀も前に作ったものでがっしりしていた。 しかし、色合いは少し好みの分かれるところだったが・・・・ さて、本日改修が終わり(いくつか、後…

仏陀のおしえ(友松圓諦著)

本書は、昭和八年第一書房から「現代人の仏教概論」として刊行されたものが、表記のように改題され講談社学術文庫版として刊行されたもの。 だから、本書の中に「戦後」という言葉が出てきて、「おや」と違和感を感じた。 それは、第一次世界大戦後を表し、…

一時代の終焉

「前アップルCEO、スティーブ・ジョブズ氏死去」 経営書など読むと「企業は人なり」と記されていたりする。 これは、その人が善い人であることを指しているわけではない、その典型ともいえるのが、ジョブス氏と言えるのではないか? 今回の死因は、私の方…

もしかすると

こんな記事が出ている「国の地方合同庁舎、新設再開 凍結から一転、8カ所計画」、一見、無駄使いの様にも見えるが、穿った解釈をすれば、こういう方法を使わないと、経済が維持できないという判断を官側の誰かがしたとも言える。 すなわち、民間の活力を向…

魏志倭人伝(他三篇)

本書は、岩波文庫版、魏志倭人伝・後漢書倭伝・宋書倭国伝・隋書倭国伝の四編が一冊となったもの。 まず本書の全体解説があり、訳注があり、現代語訳があり、参考原文まで付いている。 私は、現代語訳を読んで「ふむふむ」という程度の読解力だ。 しかし、何…

105円の知能とは?

まさに「雑」な話だが表題を変えてみた。 なにゆえ「105円の知能」なのかなのだが、これは、最近古本屋で、100円や105円(税込み)の本を主に読むようになってきたことによる。 そう、「私の知能は、(たかだか)105円の本で支えられている」ということなの…

衝撃的な結果

以前、タキオンという光速より早い粒子の存在を予測した人がいたが、その仮説はどこかに消えてしまったかの様に忘れ去られていたのだが、なんとまぁ・・・・ まさに「衝撃的な結果」だ。 光速より早いと時間を逆行するなどという話もあったが(さて)どうなるの…

倫理・道徳の問題・・・「虹の手紙」

以下のリンク先の記事を読んで笑われる方もいらっしゃるかもしれません。 でも、私は何か釈然としないものを感じます。 http://blogs.yahoo.co.jp/tessai2005/64759878.html

小川未明童話集(小川未明著)

本書は新潮文庫版で読む。 童話は必ずしも子供のものではない、大人も読んでよいものだと思う。 そして、本書を読むと童話にして、こんなに難しい世界があるのかと思ってしまう。 作品の終わり方が、勧善懲悪・・・水戸黄門のようにわかりやすくなく、たとえ幸…

断章70、71

断章70は「自然は・・・ない。」と始まるのだが、これは私には不明だ。 そして、そこに続くのが「自然はわれわれをちょうど真ん中においたので、われわれが秤の一方を変えると、他方も変えることになる」とあり、「われわれの頭の中には、その一方にさわると、…

断章68、69

断章68は難しい、「人々は真人間になることは教えられないで、それ以外のことをみな教え込まれる」 この「真人間」とは「オネットム」ということで、これは、普遍的なとされる人間なのだが、残念ながら全てを把握する能力はないので、様々な事を広く浅く全て…

断章64~67

断章64は、燻し銀のような言葉。 「モンテーニュのなかで私が読みとるすべてのものは、彼のなかではなく、私自身のなかで見いだしているのである。」(全文) 断章65は、再びモンテーニュについて、パスカルの立場を考えると次の言葉が効いてくる。 「彼のに…

断章62、63

断章62は「第一部の序言」とはじまる、第一部とは何か?と疑問が起るが、この断章だけでは判断できない。 ただし、ここでは「自己認識の問題を論じた人たちについて話すこと」と、主題を明確にしている。 そして、シャロンとモンテーニュの2名を取り上げ、モ…

茶道改良論(田中仙樵著)

本書は講談社昭和62年刊行のもの、私は講談社学術文庫版で読む。 茶道については良く分からないのだが、本書は面白く読むことができた。 この著者は、当時の茶道界の常識を破って、明治31年に「大日本茶道学会」を創設し当時、秘伝とされていたものを開放し…

西洋哲学史(今道友信著)

本書は講談社学術文庫版。 本書は良い本だと途中まで読んで感じたので、奥付を見ると2004年で28刷とある。 私の感覚よりも、本書をここまで支持した人々の方の鑑識眼の方が確かなようだ。 本書は、著者が行った西洋哲学史の講義を録音し、それを本の形式にし…

実録日本汚職史(室伏哲郎著)

本書は1976年ペップ出版から「汚職学入門」として刊行されたものを、改訂、増補し、本題名にてちくま文庫版化されたもの。 財政の累積赤字や政治の機能不全など、現代についてぼやくことは多々あるけれども、本書を読むと、「なるようにしかならない」と、妙…

不思議なこと

大阪市中央区役所の男性職員が、区内に転入した20代女性の住民異動届に記載された携帯電話番号を悪用し、女性に電話をかけたり食事やドライブなどに誘うメールを送ったなどしたとして、市は31日、同区役所窓口サービス課の男性職員(31)を停職6カ月…

マッカーシズム(R.H.ロービア著)

本書は岩波文庫版で読む。 マッカーシズムとは何かも知らずに手に入れて、少し読んでみて、これは何だろうかと思って、また、少し寝かせておいた本。 ここのところ、再び読んでみたくなったのは、最近の政治が茶番に見えてきたからだろうか? マッカーシーの…

古本屋の旬

古本屋を歩き回っていると、その棚(蔵書)にも移り変わりがあり、旬があることに気づく、そして、つい先日もとあるチェーン展開している古本屋が、私好みの棚に変わっていることを発見して、思わず手が伸びたのだ。 この古本屋は、岩波文庫・青版の似つかわ…