110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

2011-01-01から1年間の記事一覧

大石良雄・笛(野上弥生子著)

本書は岩波文庫版。 忠臣蔵・・・大石良雄・・・果たして、英雄であろうか? そういう側面を描く本作は興味ある作品であったので、こちらを読みたくて本書を買ったのだ。 しかし、著者79歳の作品「笛」はそれ以上に考えさせられるものだ。 最近、余り聞かなくなっ…

時空(野間宏著)

本書は福武書店刊行のもの。 本書はエッセーという位置づけらしい。 しかし、聖徳太子、秦河勝、世阿弥、金春太夫という過去の申楽~能への流れと、聖徳太子、秦河勝にゆかりの、播磨灘に広がる、執筆当時の世相、日本というものの対比、伸びゆく工業と衰退…

本について考える

以前より、出版業界は不況であった、端的に言えば(活字)本を読まなくなったのだ。 業界の気晴らしとして、電子書籍なるものがあるし、いつか私も手に入れると思うが、果たしてそのソースは面白いものになるのであろうか?・・・いやいや、ビジネスとして利益…

(新編)学問の曲り角(河野与一著)

本書は岩波文庫版、「新編」とあるのは、岩波文庫版のために新しく編集したことを指す。 本書は、 ・プラトニックラブとは何か? ・哲学者ライプニツはモリエールの演劇を見たことがあるのか? ・栞の語源 ・ギリシャ哲学が棚上げしたこと(盲点)とは何か?…

考え方の論理(沢田允茂著)

本書は1958年牧書店「牧少年少女文庫」の一冊として「少年少女のための論理学」として刊行されたもの、のちに改題されて講談社学術文庫版化されたものを読む。 本書はよく100円棚に見かける、また、少年少女向けの本だということも立ち読みするとわかるので…

BOOK'S To-Beさんが閉めそうです。

JR駅中野駅から、少し新井薬師に向ったところにある、「BOOK'S To-Be」さんがお店を閉めそうです。 この本屋さんの少し詳しい情報は、以下のURLでご覧ください。 http://blogs.dion.ne.jp/tokusan/archives/8483738.html?reload=2011-08-22T21:17:02 たまた…

物理学とは何だろうか(朝永振一郎著)

本書は岩波新書版で読む。 まさに表題についての著作だ、そして、著者の絶筆となったのが惜しいところだ。 しかし、未完とはいえその内容は他のいわゆる物理の導入書とは一味違う。 ケプラー、ガリレオ、ニュートンなどの巨匠は、それまでの怪しげな占星術や…

土(長塚節著)

本書は岩波文庫版で読む。 なかなかの長編であり読むのに時間が掛かったもの。 さて、本書をどう評価すればよいだろうか、以前の日本にはこのような状況があったのだという、一つの歴史としてみるべきか、はたまた、現在では失ってしまった何かあるものがこ…

冷房を使わないと良いこと

今年は(も?)なるべくエアコンを使わずに暮らすという方針なのですが、まず、東京という土地柄か、冬はまず問題ないのですが、夏、特に熱帯夜は我慢できないものです。 ということで、我慢(は悪いことらしい)してきたのですが、本日断念しました。 で、…

ギロチン(カミュ著)

本書は紀伊國屋書店1968年初版刊行のもの、日本でも取り上げられる、死刑についての是非を問うものだ。 わが国には、未だ死刑制度があるのだが、本書の書かれた当時のフランスでも制度は残っており、カミュはこれに反対の立場を取るのだ。 細かく分析すれば…

人間の土地(サン・テグジュペリ著)

本書は新潮文庫版で読む。 「夜間飛行」とともに、この著者の本に出会えたのは幸せなことである。 (「星の王子さま」も良いけれども・・・・) どうも、20世紀のとある時期に、「人間」というものが存在したらしい、それは、後世あまり言われなくなったが「実存…

夜間飛行(サン・テグジュペリ著)

本書は、新潮文庫版で読む。 著者の生きていた時代というのは、現在とは大分異なるように思えるのだ。 本作の、国際郵便の配送に、夜間飛行も含めるということ、そして、その危険性について考えると、本編に登場する、支配人リヴィエールや操縦士ファビアン…

中世の光と影(掘米庸三著)

本書は文藝春秋社刊行「大世界史」の第七巻「中世の光と影」を底本としたもの、私は講談社学術文庫版で読む。 講談社学術文庫版の読み方、楽しみ方はいくつかあるけれども、私は、帯に記される(発行)ナンバーの古いものを好んで集めたり、読んだりしている…

逃亡日記(吾妻ひでお著)

本書は日本文芸社2009年刊行のもの。 「失踪日記」は、すぐ買って読んだものだが、その後本作の様なものが出ているとは知らなかった。 たまたま、古本屋で100円棚にあったので、即入手即読みという按配になる。 本書にある、故石森章太郎(当初、石ノ森章太…

2011年7月までの累計

2011年7月までの累計歩数は、40,020,952歩となりました。 これで、4000万歩の推移としては目出度く終了ということになります。 あと、本当の伊能忠敬の3万5000kmへは、残すところ700万歩弱という感じですね。 これからは、歩数を追うことではなくて、少し楽…

長安の春(石田幹之助著)

本書は講談社学術文庫版で読む。 本書のオリジナルである創元社版を古本屋で見かけることがある、それほど読まれた本であることの証拠であろうか、左程高くないので買おうかと手にとって読んでみると・・・・・講談社学術文庫版の現代語表記がとてもありがたくな…

精神現象学(ヘーゲル著)

本書は、作品社刊行のもの、翻訳者は長谷川宏だ。 この翻訳者の手に掛かったので、相当読みやすくなっているのだが、一読では良くわからないという感想じだ。 観念論、精神、三位一体、集団意識、良心・・・いくつか、乏しい記憶のなかからそれらしい言葉を思い…

2度読みする

記憶力は無い方なのだが、不思議と同じ本を2度読んで気づかないことは、今までなかったのだ。 しかし、今回、読む前も、読んでいる途中も、読んだ後も、まったく気づかなかった。 その著作とは「宇宙についての基礎知識(宮本正太郎著、講談社学術文庫)」。…

小松左京の死

これはショックだ、あらためて人間は歳をとるものであり、死にゆくものであることを思う。 私の読書は、星新一からはじまった、その後、日本のSFを読む様になったが、小松左京の重力圏からは逃れられない。 私は、小松氏の代表作は一切読んでいないが、短編…

人間 無(鬼頭英一著)

本書は、鬼頭英一著作集の第六巻目、公論社刊行のもの。 実存哲学系の書籍は、一部の名著を除いて省みられることが少なくなってきたようだ。 (どうも、紙ベースの本が衰退しているように思う) そんな中で、その手の本を読むのは異端であろう、しかしながら…

4000万歩を越える

昨日、4000万歩を越えました。 とりあえず、一つの目標を越えることができたわけです。 今月の残りの日々については、身体と足を休めようと思います。 また、読書のほうも振るわないので、少し、読み進めないといけませんね。

99.9%とは

歩数の記録をとり始めて、その後に4000万歩という目標を定めたのだが、ここにきて99.9%という進捗率となった。 具体的には、あと4万歩を切ったということになる。 今まで、99.9%といってもピンとこなかった、例えば、営業をやっていたときの99.9%は、もう殆…

四千万歩の男 忠敬の生き方(井上ひさし著)

本書は講談社文庫版で読む。 4000万歩の歩きも、一見、終結に向かっているのだが、本書を持ってそのオチを披露する形になろう。 すなわち、忠敬=4000万歩とは、約3万5千キロメートルを歩幅半間(90センチメートル)で割った歩数なのだ。 すなわち、今回の40…

2011年6月までの累計

2011年6月までの累計は、39,634,395歩で、進捗率は99.1%となります。 残りは、365,605歩。 この調子だと、7月中に4000万歩に到達できそうですね。 がしかし、まだまだ油断は禁物です。 夏の暑い時期ですので、体調に気を配りながらあるきませう。

99%

4000万歩を目標にしていた歩きも3,960万歩を越え99%の達成率になりました。 歩数の記録は、2006年9月からで、かれこれ5年が経過するわけです。 やっと、本当に折り返した気分です。 4000万歩は、一つの目標でありこれで終わりではありませんが、それでも、残…

断章60~61

断章60からは、第二章「神なき人間の惨めさ」へ入る。 その断章60だが、 「第一部。神なき人間の惨めさ」これを換言すると「自然が腐敗していること。自然そのものによって」 「第二部。神とともにある人間の至福」これを換言すると「修理者が存在すること。…

断章57~59

断章57は、挨拶に意味を感じると違和感を感じるということ。 「たいへんご苦労さまでした」や「ご迷惑をおかけしないかと心配です」や「あまり長くなりはしないかと心配です」など「こんなことを言う人は、まさにそのとおりだと思わせるか、私たちをいらだた…

断章52~56

断章52「宮廷人でない人たちでなければ、宮廷人という言葉は使わない。衒学者でなければ、衒学者、田舎者でなければ、田舎者という言葉は使わない。だから、『田舎人への手紙』にそういう題をつけたのは、印刷人であるということに、私は賭けてもいい」 これ…

断章49~51

断章49はちょっと難解だ、「自然に仮面をかぶせ、仮装させる」と「王も、教皇も、司祭もなくなってしまう」それらは「賢き帝(みかど)」となるというのだ。 同様に「パリもなくなり」「王国の首都」となるのだ。 「パリをパリと呼ばなければならない場合だ…

知の編集工学(松岡正剛著)

本書は2001年初版の朝日文庫版で読む。 本書はすごい本だ、なぜなら次のような問いに具体的に解答をしているからだ、私も様々な哲学書などを読むもここまでの解答は得られない、それは、ひとえに著者の天分による。 というわけで、その問答を列挙する。 ,覆…