110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

#読書

サトウハチロー詩集

本書は角川春樹事務所ハルキ文庫の中の一冊。 8月15日は今まで特別の日だと思っていた、でも、良く調べると玉音放送の日ということだけなんだね。 でも、まぁ、その慣例にのっとってそれらしい本は無いかと思っていたところ、本書に行き当たった。 詩の解釈…

悪者見参(木村元彦著)

本書は集英社文庫版で読む。 先日終わったW杯でのクロアチアを絶賛したが、たまたま、そこで旧ユーゴスラビアの問題に触れて、たまたま古本屋にあった本書を読んでみた。 まぁ、クロアチアの人は本書の内容を知れば快く思わないかもしれないけれども、読んで…

響け! ユーフォニアム(武田綾乃著)

本書は宝島社(宝島社文庫)。 読んだのは、 響け! ユーフォニアム(北宇治高校吹奏楽部へようこそ) 響け! ユーフォニアム2(北宇治高校吹奏楽部のいちばん熱い夏) 響け! ユーフォニアム3(北宇治高校吹奏楽部、最大の危機) 響け! ユーフォニアム(北宇治…

マサリクとチェコの精神(石川達夫著)

本書は成文社1995年刊行のもの。 マサリクの名前は佐藤優の著作にあったので興味を持った、佐藤氏の本当のお薦めは「ロシアとヨーロッパ(マサリク)」であったが、その分量と値段にしり込みして、入門書として本書を選んだ。 日本という国はある意味大変に…

清貧と復興(土光敏夫100の言葉)出町譲著

本書は文藝春秋2011年刊行のもの。 題名からして、東日本大震災に絡んでいることが伺われるのだが、それよりもなによりも、土光敏夫という人について知ってほしいと思ったのでここに上げた。 だから、別に本書でなくても良い、土光敏夫について余り知らない…

反グローバリズム(金子勝著)

本書は岩波書店1999年刊行のもの。 最近、アメリカの動向が明らかに変化した、それまでは、グローバリズムを掲げていたものが、TPPを離脱し、関税などの保護貿易主義を取っている。 さすがに、グローバリズムという仕組みも制度疲労がおきるものかと思ってい…

外務省に告ぐ(佐藤勝著)

本書は新潮文庫版で読む。 このところ、政治に関するコメントを度々上げてきたのだが、なんんことはない、十年ほど前に刊行された本書にすべて網羅されていた。 官僚による文書改竄やセクハラそして違法行為、その腐敗している様を、そして、政治家も似たよ…

男女の仲(山本夏彦著)

本書は文春新書版。 108円棚にあった本書をちょっと読んでみたらなんだかほっとしたので買った。 この本は、ほぼ絶筆と言ってよいだろう。 大正時代に、忠孝は廃れ、西洋の真似をして、日本人はいなくなったと吹聴する著者だが、以前氏の著作を読んだ時の感…

いま生きる「資本論」(佐藤優著)

本書は新潮社刊行のもの。 久し振りに良い本だとお勧めできそうな本に出合った。 なにしろ、新品で買っても1300円だし、私は古本で200円の投資ですんだ。 本書を読んで、マルクス経済学を勉強しようと思った。 私は、大学では経済学部で、さらに「マル経」だ…

蒼い時(山口百恵著)

本書は集英社文庫版で読む。 最近、自伝に興味を持ったのは保阪正康「自伝の人間学(新潮文庫)」を読んだからなのだが、この保阪氏の本を読みながら、amazon検索をして該当する本があり、しかもそれ程高くもなかったのに発注しなかったのが、本書だ。 正直…

終らない旅(小田実著)

本書は新潮社2006年発刊のもの。 著者は戦争の実体験や様々な平和活動から「悲しみ」しかもたらさないことを説いている。 彼はもう故人であり、最近は忘れられている人なのかもしれない。 現在、北朝鮮を一つの象徴として、改憲を含む、軍備への言及が多くな…

Jポップで考える哲学(戸谷洋司著)

本書は講談社文庫版。 多分、若い人向けに哲学のようなものをまず体験してもらおうと言ういわゆる啓蒙書の類に思うのだが、著者の腰は引けているので効果のほどは未知数。 本書では、著者の意図しないだろうところに凄い違和感を感じたのでそれを記そう。 こ…

保守の真髄(西部邁著)

本書は講談社現代新書版。 Y!で訃報に触れて、コメントを読むとそこに本書のことがあった。 本ブログ氏の訃報を取り上げたので、なにかしらの義理を感じて早速読んでみた。 (当日、AMAZONで調べると品切れ、今日見ると、現在の注文で2月の入荷とのことだっ…

リクルート事件・江副浩正の真実

本書は中公新書ラクレ2010年刊行のもの、100円棚にあったので手にする。 先だって、国家の罠(佐藤優著)を読んでいたので、少し免疫ができていたのか本書もある程度冷静に読むことが出来た。 本書には「リクルート事件も報道が続いているから、立件すること…

鏑木清方随筆集

本書は岩波文庫版、著者の春夏秋冬に関わる随筆を編集者(山田肇)が独自に集めたもの。 年が改まって、ふと本書を手にすると最初の稿が「一陽来復」でお正月の話で始まる、これは丁度頃合と読み始める。 本書のあった東京の四季に関わる随筆を読んでいると…

親の介護をする前に読む本(東田勉著)

本書は講談社現代新書2016年刊行のもの。 母親の手伝いを始めて、今は、まぁ介護していると言える状況だが、考えると、もう10年くらい経っている。 一時は父親も生存していて、かぶっていた時期もあった。 そんな中で、ふと手にしたのがこの本であった。 介…

日本国の研究(猪瀬直樹著)

本書は1997年文藝春秋社刊行のもの、私は1999年初版の文春文庫版で読む。 おまけに、「続日本国の研究」1999年同社刊行のもの、私は、2002年初版の文春文庫版を読む。 さらに、「国家の罠(佐藤優著)」これは2005年新潮社刊行のもの、私は、2007年初版の新…

バイエルの謎(安田寛著)

本書は2012年音楽の友社より刊行されたもの、私は2016年の新潮文庫版で読む。 よくTVなどで過去の謎を解き明かすドキュメンタリー放送があるのだが、それの紙版というもの。 ここで取り上げられたのが「バイエル」という人であり、その名がついたピアノの教…

国民国家のリアリズム(三浦瑠麗・猪瀬直樹)

本書は角川新書2017年刊行のもの、最近、三浦瑠麗という人に興味を持ったので、珍しく、108円になるのを待たずに入手した。 同時に『「トランプ時代の」新世界秩序(潮新書)』もあったので読んで見る。 まだこの2作しか読んでいないのだが、猪瀬氏との対談…

朝鮮半島「核」外交(重村智計著)

本書は講談社現代新書2006年刊行のもの。 最近の北朝鮮への安倍首相の対応が人道的でないとして非難してきたが、本書を読むとまだまだ読みが甘いと思い知らされた。 外交と言うものはつくづく難しいものだ。 本書にも『「北朝鮮を追い詰めると暴発する」とい…

「難死」の思想(小田実著)

本書は、岩波書店、同時代ライブラリー1991年刊行のものを読む。 いまさらな感じもするのだが、〈民主〉と〈愛国〉(小熊英二著)で「べ平連」について読んだときに、鶴見俊輔と小田実の本を読んで見たくなった。 本書の題名はチェックしてあったのだが、肝…

私の聖書物語(椎名麟三著)

本書は中公文庫BIBLIO2003年刊行のもの、その元は1957年中央公論社刊行のもので、大本は婦人公論に1年間連載されたもの。 本書を知ったのは、少し前に上げた「自伝の人間学(保阪正康著)」に『聖書を「バカヤロウの本」と思った椎名麟三』とあったのが気に…

それをお金で買いますか(マイケル・サンデル著)

本書は早川書房2012年刊行のもの。 本書は一時期日本でも注目された『これからの「正義」の話をしよう』の後に出た著作だ、私は、ほとんどの本を古書で読むので、本書のことは知らなかった、だから、どの程度売れたのかはよくわからない。 結論から言うと、…

権威と権力(なだいなだ著)

本書は岩波新書1974年初版のもの、私は1987年の第18刷を読む。 この本は読みやすい。 でも今の若い人が読めば時代背景が古いので違和感は覚えると思う。 でも、現在にも関連している話題でもあるのだ。 現在は、表面上の世代間格差や(ある意味)世代間闘争…

私とは何か(平野啓一郎著)

本書は講談社現代新書2012年初版のもの。 さっき買ってきてもう読んだ、遅読の私にしては珍しいのだが、題材に相当共感したのだろう。 そんなわけで、ちょっと頭がくらくらする、オーバーワークだ歳はとりたくないものだ。 内容は、個人という考えで人間(自…

自伝の人間学(保阪正康著)

本書は昭和63年に新潮社より「自伝の書き方」として刊行されたものを、新たに表記の題名に改題し、平成19年に新潮文庫版として刊行されたものです。 自伝は、よほど客観的に自分を見つめることができる人でなければ、その著書に自分の予期せぬ本性を現してし…

団塊の世代(堺屋太一著)

本書は文春文庫版1980年刊行のもの、私は1989年第12刷版で読む。 団塊の世代を一つの象徴とする、高齢化の社会保証問題が気になっていたので、その原点である本著作を読んで見た。 実際には1976年当時に未来の状況を予想する形で小説化したもので違和感をお…

批評の精神(古在由重著)を再び読んでしまう。

これは読んでいないだろうと思ったら偶然積んであるのを見つけて愕然とする。 しかも、ブログにも上げてあった。 https://blogs.yahoo.co.jp/walker_atlas/folder/228367.html?m=lc&sv=%B8%C5%BA%DF&sk=1 ブログの内容は、相当困ったのだろう、知ったかぶり…

最後の「日本人」(阿部善雄著)

本書は岩波書店1983年刊行のもの、その後、岩波現代文庫版で復刊されたようだがamazonで見ると絶版状況のようだ。 朝河貫一の生涯をつづった物、古本屋でこのこの名前を見たときに「日本の禍機」が頭をよぎったので確認すると記憶に間違いはなかった。 記憶…

憲法がヤバい(白川敬裕著)

本書は2013年ディスカバー・トゥエンティワン刊行のもの。 このところ憲法改正が取りざたされているので、先の自民党の憲法改正案に疑問を持ったという著者の著作が目に付いたので読んで見た。 ポイントは、憲法とは国を縛るためのものであるという考え方で…