110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

2012-01-01から1年間の記事一覧

読書の技法(佐藤優著)

本書は、2012年東洋経済新報社刊行のもの。 超人的なスピードで本を読む速読法の本は何冊買ったことだろう、未だに、その境涯にはほど遠いのが現状だ。 本著者も速読術を会得して、大量に本を読む事ができると他の著作に記してあったが、本書では、その方法…

悪の哲学(中島隆博著)

本書は、筑摩選書2012年刊行のもの。 知人に「私は性悪説(韓非子かな)の立場を取る」と言う人がいて、それが、どこか気になっていたのだろう、本書の題名を見て思わずつかんでいた。 副題に「中国哲学の想像力」とあるように、中国の思想(哲学)を中心に…

妊娠小説(斎藤美奈子著)

本書は1994年筑摩書房刊行のもの、私は、1997年初版のちくま文庫版で読む。 本書は著者のはじめての評論作品とのことだ。 そもそも、題名はよく考えるとおかしい、本書で取り扱うのは妊娠中絶小説がほとんどであるので、中絶小説としたほうがなじむように思…

音楽の基礎(芥川也寸志著)

本書は岩波新書版(1971年初版)を読む。 音楽の基礎ならば、義務教育の音楽や、高校の音楽でも習ったつもりだったのだが、もう50にもなって読んだ本書が一番身に浸みた。 それは、目が出ないながらも弾き続けたギターがやっと手になじんできたからだ。 音楽…

実存主義(松浪信三郎著)

本書は岩波新書1962年刊行のもの、定価130円、私は55円で古本屋から購入、これは安いんだか高いんだかよくわからない(50年前の本だ、感慨深いな)。 確か、プロフィールに実存主義なる言葉を書いた記憶がある、しかし、本当の意味での実存主義とは何かとい…

断章101、102

この「パスカル」という項目では、パスカル著作「パンセ」の各断章を紹介し、手前勝手な注釈をしている。 もし、あなたが「人間中心主義」ならばモンテーニュを読むがいい、パスカルは自然科学の筆頭でありながら、そこにはいないのだ、そして、私は、そうい…

断章100

この「パスカル」という項目では、パスカル著作「パンセ」の各断章を紹介し、手前勝手な注釈をしている。 もし、あなたが「人間中心主義」ならばモンテーニュを読むがいい、パスカルは自然科学の筆頭でありながら、そこにはいないのだ、そして、私は、そうい…

懺悔

私は、暗い人間である。 自分の両親の介護をしつつ、その精神を探ろうとしている。 本来は、価値判断などせずに、ただただ介護をしていればよいだろうに、私の両親はこの年まで生きてきたことで、何を背負ってしまったのか、また、何を隠蔽しているのかを見…

断章97~99

この「パスカル」という項目では、パスカル著作「パンセ」の各断章を紹介し、手前勝手な注釈をしている。 もし、あなたが「人間中心主義」ならばモンテーニュを読むがいい、パスカルは自然科学の筆頭でありながら、そこにはいないのだ、そして、私は、そうい…

愛妻記(新藤兼人著)

本書は1995年岩波書店刊行のもの、私は、岩波現代文庫版で読む。 著者の愛妻、音羽信子の死を悼んで、その生活を回想風に著したもの、最後に、音羽さんが昭和31年の中国旅行へ行った際の手記も掲載され、貴重な作品であると思う。 全編、音羽さんへの愛情が…

生きるかなしみ(山田太一編)

本書は1991年筑摩書房刊行のもの、私は、ちくま文庫版で読む。 冒頭で編者は「いま多くの日本人が何より目を向けるべきは人間の『生きるかなしさ』であると思っている。人間のはかなさ、無力を知ることだという気がしている」と記す。 そして、編者が選んだ1…

不揃いの木を組む(小川三夫著)

本書は2001年草思社刊行のもの、私は文春文庫版(2012年初版)で読む。 この著者は西岡常一の内弟子である、西岡氏の文章を先日読んだので「ある共通点」があろうかと本書を読む。 その「ある共通点」とは、法隆寺は木造建築だが一千年以上持っている、コン…

断章95、96

この「パスカル」という項目では、パスカル著作「パンセ」の各断章を紹介し、手前勝手な注釈をしている。 もし、あなたが「人間中心主義」ならばモンテーニュを読むがいい、パスカルは自然科学の筆頭でありながら、そこにはいないのだ、そして、私は、そうい…

誘拐(本田靖春著)

本書は1977年文藝春秋より刊行されたもの、私は、ちくま文庫版で読む。 昭和38年(1963年)に起きた「吉展ちゃん誘拐殺人事件」についての、ドキュメントである。 本書に、推理小説の様な面白さを期待しても無駄である、それよりも、人間の生き方について考…

断章92~94

この「パスカル」という項目では、パスカル著作「パンセ」の各断章を紹介し、手前勝手な注釈をしている。 もし、あなたが「人間中心主義」ならばモンテーニュを読むがいい、パスカルは自然科学の筆頭でありながら、そこにはいないのだ、そして、私は、そうい…

断章89~91

また、細々と再開したいと思う。 断章89は習慣について記している、「習慣はわれわれの本性である。信仰に慣れる者はそれを信じ、もはや地獄を恐れずにはいられなくなり、ほかのものを信じない」そして「王は恐るべきものだと信ずることに慣れたる者」も同様…

これ面白い

電車ベビーカー論争にギャルモデル「子供優先車を検討して」 NEWS ポストセブン 9月7日(金)7時6分配信 今年3月、東京都と首都圏の鉄道会社24社が貼り出した1枚のポスターがある。そこにはこんなキャッチコピーが書かれている。 〈赤ちゃんを守るのは、みんな…

レヴィナスと愛の現象学(内田樹著)

本書は2001年せりか書房から刊行されたのだが、なんと2011年に文春文庫版として入手しやすくなった、これは事件だ、私は、きちんと新本を買った(珍しいことだ)。 本書を読んで、無理矢理「地獄少女」の設定を結びつけると様々な事が読み取れる、果たして、…

ユキの日記(ユキ?著)

本書は仮名でユキと言われた少女の8歳から21歳までの日記の抜粋、みすず書房1978年刊行のもの。 本書を編集した笠原嘉(よみし)は、精神医学関係では著名な人、だから精神病に関係のある本ではないかという先入観もあった。 しかし、それは裏切られる形とな…

草迷宮(泉鏡花著)

本書は岩波文庫版で読む、といっても一読で、泉鏡花の文体を、私は一読で読み切れるものではない。 この本に引きつけられたのは、多分「地獄少女」の影響だろう、現代のアニメと泉鏡花の伝奇小説との比較はいかなるものなのか? 読んでみてわかる事、それは…

江戸の音(田中優子著)

「江戸の想像力(ちくま学芸文庫)」の補填としての位置づけと著者自ら記す本、河出書房新社1988年刊行のもの。 江戸時代の音、音楽、そして、文学が交錯しつつ展開する音楽論なのか、エッセイなのか? そして、現在では忘れてしまいそうになる、日本の音楽…

マイナス金利

金融危機以降に取られた数々の目を見張る政策の中で、最も異例なものの1つは、ほとんど気付かれないまま実行された。デンマークが導入したマイナスの政策金利である。 そういえば、これって、都留重人氏の「経済学入門(講談社学術文庫)」で「ちらり」と開…

地獄少女三鼎について2

50にもなってアニメに取り付かれるとは・・・まぁ、最低な人間であろう。 このシリーズを再度見てみたところで、この不敵なシリーズ構成に驚いている。 ただ、現在のアニメ業界はこれほど、伏線を張るのが常道なのかもしれないのだが? 最初、エンディングテ…

地獄少女三鼎について

地獄少女はこの「三鼎獄(シリーズ3作目)で現在のところ終了している、多分、前作の様に視聴率が伸びなかったのだろう、4作目を期待する声もあるが、現在ではなかなか難しいだろう、本来非常に重いテーマなので、幸運にもブームを巻き起こしたのであそこま…

地獄少女にはまる

本当に季節外れな話題なのだが「地獄少女」というアニメにはまった。 元は、パチンコをやっていて、原作には興味がなかったのだが、もしかすると、パチンコでの下世話な欲望とは別に作品に興味があるのではないかと思って見てみた。 確かに、30分のアニメで…

将来の哲学の根本命題 他二篇(フォイエルバッハ著)

本書は岩波文庫版で読む。 ちょっと読んで放っておいた本、昨日、本書と目が合ってしまいあくせくと読んだ次第。 解説を読むと著者の批判には問題点があるとするも、第1刷として刊行された1967年の視点で読むよりも、今読んだ方がわかりやすいのではないかと…

水平思考の世界(エドワード・デボノ著)

本書は講談社ブルーバックス昭和46年初版の物、懐かしく感じた人もいるかもしれない。 論理的な思考法、ここでは垂直的思考法では限界がある、水平的思考法もあわせなければならない問題もあるという指摘で、垂直・水平という明快な分け方が理解しやすい本と…

男子サッカーについて

メキシコに続き韓国にも敗れメダルは逃したが、男子サッカーは良くやったと思う。 監督や選手は悔いが残るだろうが、本来の実力から言えば、2倍も3倍も力を出したわけだから、良しとしたい(金メダルだ)。 まぁ、以下は勝手な妄想だが、今回のサッカーで…

林達夫著作集(林達夫著)

本書は、平凡社刊行の物、全6巻+別巻1の合計7冊であるようだ(別巻1とあるのでその続編を予定されていたようだが実際には刊行されていないようだ) 先月はこの著作集を読む事を目標にしたが今月までずれこんでしまった。 内容については、検索してもらえば…

スペイン戦を彷彿させた男子サッカー

本日の対エジプト戦では、初戦のスペイン戦がフラッシュバックしたようであった。 清武・永井の活躍で、前半はやくも得点を上げたがその立役者の一人永井は怪我で退場・交代となった。 しかし、交代した斎藤が、エジプトの最終ディフェンダーを振り切り、1…