110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

2012-01-01から1年間の記事一覧

ブラジル戦

なでしこjapanの対ブラジル戦の戦いかたは凄まじかった。 大半はブラジルに主導権を握られるかたちとなったが、前後半ともカウンターで得点を得た後は、守備に徹した。 前半の最後、主力のマルタのキックの正確性が落ちてきた、更に、後半80分からは、集中力…

やっと終わった

昨日、累積歩数が4,666,700歩を超えました。 この歩数は、私の歩幅約75cmで計算すると3万5000kmとなります。 そして、この距離が本来の伊能忠敬が歩いた距離なのでした。 井上ひさし氏の4000万歩の根拠は伊能忠敬が1歩あたり半間(90cm)で歩測したことをも…

こんなマンガを見つけた。

たまたまコンビニで見つけたのが「ふでかげ(原作:川原正敏、漫画:飛永宏之、講談社)」で、現行3冊をいっきに読む(漫画だし)。 主人公の少年が、高校のサッカー部の指導法が肌に合わないので見切りをつけ、クラブチームで天皇杯の決勝戦が行われる国立…

犬たちの隠された生活(エリザベス・M・トーマス著)

本書は、草思社1995年刊行の物、帯に「人類学者が犬の生活や謎の秘密を鮮やかに解き明かした犬の本の傑作!ローレンツの『人イヌにあう』以来の好著と評判の本。全米で大ベストセラー」とある、そういう本だろう。 ここでは、いわゆるペットとしてではない犬…

いじめについて

小学生のころいじめられた経験から、ひとつだけ思うところがある。 それは、一般的にいじめをしている側は、「いじめている」という意識が無いということだ。 そういうことかというと、そもそも「いじめ」という言葉自体にその人自体を「悪い人」と定義する…

韃靼疾風録(司馬遼太郎著)

本書は1987年中央公論社刊行の物、私は、中公文庫版で読む。 文庫版でも上下巻で1000ページを超えるので、読むのに時間がかかるのだが、内容はとても面白いので、飽きることは無い。 桂庄助なる人物が奇縁から女真国へ行き、そこで明の崩壊と清の勃興に立ち…

良寛(水上勉著)

本書は中公文庫(昭和61年版)で読む。 自分の行く末が気になると、こういう人を題材にした本を読みたくなるのだろうか? 本書は良書であると思う、良寛という人をどう捉えるのか、著者の考えに乗るもよし、本書にある豊富な資料から自分で考えるのでも良い…

史観・宰相論(松本清張著)

本書は、文藝春秋、1980年刊行のもの。 明治以降の宰相についての著者の考察であり、本書を読むと、日本の政治は官僚を柱として成立しており、この著作が刊行された後も現在まで、本質的な(政治)変革はなされていないのではないかと思う。 いや、官僚制を…

歩く人たちのカリスマ

残念だ、歩く人のたちのカリスマだったと思う。 俳優の地井武男さん死去 映画やドラマで名脇役として活躍した俳優の地井武男さんが亡くなりました。 所属事務所によりますと、俳優の地井武男さんが29日朝、都内の病院で心不全のため亡くなりました。70歳…

哲学概論(務䑓理作著)

本作は岩波書店昭和33年刊行の物。 西田幾多郎氏の哲学概論の裏に本作の書名があったので入手した、また、講談社学術文庫に「哲学十話」という作品もある。 この哲学概論では四つの問題を取り扱うとする、それは「世界(客体)、主体、認識、実践」である。 …

名人(川端康成著)

本書は新潮文庫版で読む。 前回、ライトノベルにも見るべき作品があると書いた手前非常に恥ずかしいのだが、本作を読むとそれを撤回しなければならないようだ。 この短編を読むと、その文章というものの力を思い知った気がする。 川端氏と(前回で紹介した)…

ランジーン×コード(大泉貴著)

本書は宝島社「このライトノベルがすごい!文庫」のもの、ライトノベルなのだ。 まさか、この年でライトノベルにはまるとは思わなかったのだが、本書は、ライトノベル的な要素とともに、ウィトゲンシュタインやレヴィ=ストロースというそういう方面のキーワ…

記号の呪縛(有馬道子著)

本書は勁草書房1986年刊行のもの、副題として「テクストの解釈と分裂病」とあり、つい先日やっと読み終えた「自己・あいだ・時間(木村敏著、ちくま学芸文庫)」と関係がありそうだなと思って読む。 結論としては、本書にも木村氏の「前夜祭的意識」という言…

ここに本当の空を(小台三四郎著)

本書は、1966年九州文学社刊行のもの。 地方劇団「青鞜座」を主催した著者の、その遍歴を著したもの。 度重なる運営資金の持ち逃げや、団員の脱退などにもめげずに、着々と地歩を築くその姿は感動的である。 本書を読んでいて、少し、対場は違えども「人形劇…

だれが「本」を殺すのか(佐野眞一著)

本書は新潮文庫版で読む。 古本をもっぱら読んでいる私はこの「殺す」側の一人だが、それでも、本の行く末には興味がある。 しかし、本書さえも古本で読むとなると、明らかな確信犯と言える。 本書を読んでみると、現在も続く書籍の低迷・低落に関する原因は…

芥川文芸の世界(吉村稠・中谷克己著)

本書は明治書院昭和52年刊行のもの。 本書は、芥川龍之介の作品を年代をおいながらその思考の変遷をたどっていくもの。 それは、芥川の中心思想をエゴイズムとし、その捉え方の変化、すなわち、エゴイズムへの寛容的な立場から、今度はそれの否定へ、そして…

ピンククラウドはどうなるのだろうか?

惜しい人を無くした、ご冥福をお祈りします。 <訃報>ジョニー吉長さん63歳=ロックドラマー 毎日新聞 6月4日(月)16時30分配信 ジョニー吉長さん63歳(じょにー・よしなが<本名・吉長信喜=よしなが・のぶき>ロックドラマー)4日、肺炎のため死去。 …

絹と明察(三島由紀夫著)

本書は新潮文庫版で読む。 全体の話の流れは、戦後の早い時期に顕在化した労働争議を取り扱ったもので、現在とは違和感のある設定となるだろう。 しかし、駒沢善次郎を旧体質、(若い)大槻を新体質と見れば、現在にも通じる視点が得られるのではないのだろ…

蘭学事始(杉田玄白著)

本書は岩波文庫版で読む。 この版は本文よりも注釈と解説の方が長いのだ、ただし、その苦労した分は、蘭学事始や解体新書(ターヘルアナトミア)という題名に関しての面白い話題を知る事になったので、全く無駄という訳ではない。 本書を読むと、いままでに…

黒猫・モルグ街の殺人、他五篇(ポー著)

こういう表題は岩波文庫ならではのもの。 一時期、ラカンのエクリを読もうと発起して買ったのだが、その冒頭にポーの「盗まれた手紙」についての考察があったので、こちらを先に読もうと思って積んどいたら、随分と時間が経ってしまった。 途中まで読んでい…

批評の精神(古在由重著)

本書は、古在由重著作集第三巻、勁草書房、昭和40年刊行のもの。 本書の少し前に「ペルソナ(猪瀬直樹著、文春文庫版)」という三島由紀夫の評伝を読んだので、奇妙な比較をすることになった。 本書の著者はいわゆるマルクス主義、すなわち左側だ、そして、…

びんぼう自慢(古今亭志ん生著)

本書は1969年立風書房より刊行されたもの、私はちくま文庫版で読む。 本書を読んだ人には笑ってもらえそうだが、本書はノンフィクションなんだ。 しかし、この内容は、八っさん、熊さんという落語の世界だ。 志ん生という人は、生活も落語であったのかと驚い…

質屋の蔵(吉井民子著)

本書は昭和52年みやま書房刊行のもの。 函館にあった老舗の質屋「外山質店」の娘として育ったその体験を随筆として描いたもの。 今、調べると、その「外山質店」も暖簾分けされた「吉井質店」も検索すると出てこない、その消息を心配しつつも、本書のように…

無線LANにする

いまどきPCを2台も3台も持っているのは時代遅れなのだろうか?・・・が、私は持っている。 それはそれで、個人の趣味や趣向なので自分勝手でよいと思うのだが、LANケーブルはいけない。 スマートではないなと思ったので、無線LANに変えてみた。 購入するときに…

夜の古本屋

昨日、東京都内某所を23:00頃歩いていると、古本屋が店を開けている。 ちなみに、Book Offではなく、いわゆるふつうの古本屋だ。 これは感動した。 22:00ころまで開けているお店は、2店舗ほど思い浮かぶのだが、23:00は無かった。 だから、2冊ほど買い込ん…

漱石の夏やすみ(高島俊男著)

本書は、朔北社から2000年に刊行されたもの、私は、ちくま文庫版(2007年初版)を読む。 本書をどう解釈するかはもちろん自由なのだ、夏目漱石が夏休みに房総を旅行した漢文による記録・・・「木屑録(ぼくせつろく)」を読む事(翻訳してある)で、漢文に関…

国家と神とマルクス(佐藤優著)

本書は太陽企画出版から刊行されたもの。 この本は実用書だと思う。 変なたとえで言うと、理学ではなく工学だ。 著者は、形而上学や観念論など熟知の上で「それでは現実にはどうすればよいのか」を書くのだ。 そうすると身も蓋もない状況になったりするが、…

これからは・・・

日本という国は女系社会だったという話を思い出した。 それは、最寄りの駅のあたりを歩いていると、向こうから自転車が来る、すれ違い様にみると、3人乗りしているではないか、それも、女の子だ。 ここまでくると、違法というレベルを超えてしまって、おそ…

般若心経講義(高神覚昇著)

本書は角川文庫版で読む、奥付には昭和27年初版とある。 今更ながら、仏教に共感を覚える、ただし、世間の教団に参加するという意志はない。 現在の生活・・・高齢の両親を少しだけ支援しながら暮らしている、その暮らしぶりのうちに宗教的な心境に陥ったよ…

人間曼荼羅(辻村ジュサブロー著)

本書は昭和53年求龍堂刊行のもの、私は中公文庫版(1991年発行)で読む。 少し前に、ジンメルの「芸術哲学」を読んだのだが、大変難しかった。 ところが、本書も芸術哲学について書いてある様に思うのだが、何気なく気持ちに迫ってくるところがあるのだ。 人…